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三井ホーム
共働き向け住宅「Lucas」

2019.10.07

最新記事高い耐震性や断熱性、時代のニーズ具現化

 ワークライフバランスという言葉を聞かない日はない。文字通り、日々の糧を稼ぐ仕事とプライベートな生活とのバランスをとりましょうという意味合いだ。今回の「これは優れモノ」はその生活の基盤となる住環境について取材した。

Lucas

北米の伝統工法を進化

 「住む人の要望を聴き、期待を越える提案で応えることがわれわれの仕事です」と力説するのは三井ホーム商品開発部の山下将司さん(43)。
  住宅は無論、学校や病院、商業施設など、どんな建造物の設計もできる1級建築士の資格を持つ住宅設計のエキスパートだ。入社後、営業マンとして出身地の大阪エリアに配属され、顧客の土地探しから狭小地や袋地などの難物件の建て替えまで、あらゆる要望に応えてきた。
 住宅建築にはさまざまな方式がある。”大黒柱”に代表される、日本古来の木の柱で家を支える在来工法やコンクリート工法、鉄骨を使ったプレハブ方式など各社がそれぞれの顧客の声や研究を通じて知恵を絞ってきた。
 三井ホームが、住宅業界に新風を巻き起こしたのは1974年のこと。柱ではなく、壁で家を支える「ツーバイフォー住宅」というコンセプトを採用したのだ。  
  「19世紀に北米で生まれ、200年以上の歴史を持つ伝統的な建築工法を、日本の風土や気候に合わせて進化させてきました」。米国での駐在経験もある山下さんによると、米国の住宅は、豪雪地帯、熱帯、乾燥帯など多様な自然環境の中にあっても快適に過ごせる上、築100年以上の家も珍しくないという。

人の健康にも良い木の家

 住宅の代表的な材質として、木材、コンクリート、鉄などが挙げられるが、ツーバイフォー住宅は「木」。正式名称は枠組壁工法。ツーバイフォーという名称は、壁の枠組みとなる木材の断面のサイズが2×4インチということに由来する。この木材を約45センチ間隔で組み、合板を貼り頑強な壁とする。壁の内側に断熱材を入れることで外気温に左右されにくく、高気密・高断熱な住宅になるという。同社の研究などによると、木材が最も熱を伝えにくく断熱性に優れるため、家中の温度差が少なく、人の健康にも良いという結果が出ている。
 「現在の当社の主流は2×6ウォールです」(山下さん)。2×4材のワンサイズ上の2×6材を使用することで壁の厚みが増し、より多くの断熱材を充填することで断熱性をさらに高めることができると説明する。また、既存の枠組壁工法に同社独自のテクノロジーを盛り込んだ『プレミアム・モノコック構法』を開発し、優れた耐震性能を持たせた。
 「震度7に連続60回耐え抜いた耐震実験や数々の大地震の際に証明されています」(山下さん)
 こうした実績を基に、今年4月に発売したのが「Lucas(ルーカス)」という商品。ミレニアル世代と呼ばれる20代後半から30代後半の共働き夫婦を意識した新しいコンセプトの住宅だ。
 「時代のニーズを具現化した商品で、ご好評を頂いています」と山下さんは確かな手ごたえを語った。

interview 商品開発部
山下 将司 氏

風呂場に続く脱衣所充実、「家事楽」の声に対応

商品開発の背景は

 現在の住宅の1次取得層の中心は、1980~1890年生まれのミレニアル世代だ。10年前に比べて、共働きの世帯が増えていて、この世代に持家志向が強いことが分かった。女性や同年代の建築士で構成したチームを結成し、アンケートや座談会などを通じて社内外のミレニアル世代などの住居に関するニーズを探った。

共働き世帯で顕著な傾向は

 洗濯に関して、干したり畳んだりといったことが面倒という声が他の片働き世帯よりも最大で12ポイントも多かった。さらに共働き世帯の半数以上が、洗濯物を屋外に干さないということが分かった。室内干しのスペースがほしいという声が多かった。家事動線もこれまでの住宅の作りとは違うものが求められた。

新商品の特徴は

 プライバシーと明るさの両立を希望する声に応え、リビングを2階に設けた。当社独自の屋根構造断熱材を採用し、2階リビング・ダイニングの天井部分を勾配させ、自然光の下で外気温に影響されない明るく開放的で快適な室内空間を実現した。また、テレワークを想定してリビングの一部にワーキングスペースを設けた。子供の様子を見ながら仕事をしたいという母親の声を反映させた。さらには、手入れが面倒で不評だった庭の代わりにリビングに接した広めのバルコニー「スカイラナイ」を設けた。外からの視線を気にせずリラックスできる、クリーンで広めの半戸外空間だ。

1階にも設計上の工夫が

 プライベートゾーンは1階に配した。風呂場に続く脱衣所を充実させ「ファミリーランドリー」にした。脱いだ服をそのまま洗濯機に放り込めて、室内干しもできる空間とし、専用の衣類乾燥機スペースも確保した。乾いたらすぐに収納できる「ファミリークローク」や着替えたらそのまま身支度できる「ドレッシングルーム」を併設させ、共働き世帯の家事楽ニーズに応えた。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ