ちょっと見・情宣ニュース
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  【くらしと金言】

『ただ可愛気があるという奴には叶わない』

 (谷沢永一)

 先ごろ鬼籍に入った関西大学名誉教授で文芸評論家の谷沢永一さんが著書『人間通』で述べたものです。前段に「才能も智恵も努力も身持ちも忠誠も、すべて引っくるめたところで」とあって、この言葉が続きます。

 確かに私たちの周りには、何をやっても、妙に憎めないという人がいます。よく観察して御覧なさい。同じようなミスを何人かがしても、可愛気のある人というのは「しょうがないなあ」と許してもらっているはずです。可愛気のある人は得ですよね。持ち合わせていない身には羨(うらや)ましい限りですが、これは努力、精進で身につくような代物ではなく、天分のような気がします。

 松下政経塾を創設した松下幸之助翁は、塾生の採用に際して、二つのことを重視したそうです。  一つは「運の強そうな者」で、もう一つが、「可愛気、愛(あい)嬌(きょう)のある者」でした。松下翁は「可愛気」や「愛嬌」は天賦のもので、人生の武器になることに気づいておられたのでしょう。

 余談ですが、松下政経塾は野田佳彦首相をはじめ、前原誠司、原口一博、逢沢一郎、高市早苗氏ら衆参合わせて40人近くの国会議員を輩出。地盤、看板のない有能な若者を政界へ送り込んできました。塾出身者は今や政界の一大勢力です。ただ、彼らの中に「可愛気」「愛嬌」のある政治家が見当らないのは皮肉なことです。

 閑話休題。可愛気は逆立ちしても身につきそうにありません。では可愛気のない者はどうしたらいいのでしょうか。それこそ可愛気のない話ですが、「愚直」を貫くしかなさそうです。これなら心構え次第で何とかなるかも知れません。徹底していけば、「可愛気」に通じるような気もしますが、どうでしょう。

** 本誌2月号より**


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