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ひらめきから生まれる無限の味
作詞と料理は似ていると思うことがある。無限の可能性の追求というと大袈裟(げさ)だが、どちらも様々な試行錯誤を繰り返しながら、ひとつのものを作り上げてゆく過程が面白い。
とくに何かアイディアがひらめいた時は、その面白さが倍増する。ゾクゾクして、思わず笑みが零(こぼ)れる感じだ。
たとえばキッチンに立って、まさにこれからサンマを焼こうとする一瞬、朝食の残りのバケットが目の端に入ったとする。
その瞬間、私の頭に灯がつく。それも百ワットの電球が三個、同時についたくらいの明るさで。
そうだ、焼き立てのサンマを、バケットで挟んでみたらどうだろう。きっと美味(おい)しいに違いない。そういえばトルコに行った時、駅前の屋台で、ニシンのホットドッグを食べたが、あれはなかなか美味だった。
このアイディアは実際に試してみたが大当たり。ライムとスライスオニオンとトマトを添えたら、とてもお洒落(しゃれ)な味になった。
同じようなことが詞を書いていても起こる。突如、頭の中に言葉が落ちてくるのだ。そんな時は嬉(うれ)しい。最初は宿題を前にした子供のように、嫌々机の前に座っていても、その瞬間から気分はルンルン。急にやる気が出るのである。
それにしても、料理も作詞も奥が深い。やればやる程、自分の未熟さに苛立(いらだ)ち、修業が足りないな、と思わされる。
そんな私に一年間、お付き合いくださいまして、ありがとうございました。
三月は卒業シーズンということで、この欄も終わります。こうしてお酒のおつまみとエッセーを担当させて頂き、私自身、とても勉強になりました。
お別れのほろ苦さを、ワインでサラリと流すことにいたしましょう。
またいつかどこかで。(文・調理 あき・ようこ=作詞家)
ホタテ貝ののり風味焼き
※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は当研究所までご連絡ください。
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