食品料理研究室
2004年度の企画概要
アイコン
新聞掲載用レシピ制作『阿木燿子の ほんのりきぶん』
ライブビストロも経営する女優・作詞家の阿木燿子さんが、お得意の酒の肴を教えてくれました。お酒にまつわる楽しいエピソードもお楽しみに。
新聞掲載用レシピ制作
 
1/28

花を愛でるように楽しむ一品

 砂漠に砂の薔薇(ばら)が咲くという話を聞いた時、私は自然の神秘に胸を打たれた。
 話してくれたのは主人(ミュージシャンの宇崎竜童さん)。映画のロケーションで、サハラ砂漠を訪れた時に、見たのだそうだ。
 何処までも続くサウンドベージュの世界。それはもう瞬間の芸術というのがぴったりで、砂嵐が吹き抜けてゆく度に、なだらかな丘にさまざまな幾何学模様がデザインされてゆく。また次の砂嵐が来れば、前のものは壊され、新しい構図が目の前に広がってゆく。
 そんな景色の中で、主人は砂の薔薇を見つけたらしい。もともとそれは砂が結晶化したもので、中にはサボテンみたいな形もあるけれど、僕が見たのは、かなり薔薇の花っぽかったよ、とは主人の弁。
 私たちの身の回りにも、思わぬところに薔薇の花は存在する。
 たとえば野菜の中にも隠されていると言ったら、意外に思われるだろうか。
 百合根のように、見るからにそれらしいものもあるが、チンゲン菜の中で発見したりすると、妙に嬉(うれ)しい。
 見つけ方はいたって簡単。根元から葉を数センチ残して切り、根元を立たせれば、まな板の上に緑の薔薇の花が咲く。
 その要領で白菜を横にして真ん中から、バサッと包丁を入れると、目の前に大輪の花が出現する。それは薔薇とうより、牡丹(ぼたん)か芍薬(しゃくやく)に近い。
 この美しい形をそのまま生かして調理したら、テーブルが華やぐこと間違いなし。
 そんな発想で思いついた一品。半分に切った白菜を蒸すと、一枚一枚の葉が開いて、ますます大輪の花に近くなる。
 切り分ける前までの一瞬の目の保養ではあるが、花を愛(め)でるように料理を楽しむのも、また一興。
 パーティー料理にぴったりなので、一度お試しあれ。(文・調理 あき・ようこ=作詞家)

白菜の蒸し物

※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は当研究所までご連絡ください。

画面を閉じる Copyright(C) FCG RESERCH INSTITUTE