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お酒の締めにお茶漬け感覚で
イタリアは幼いころからの憧(あこが)れの国であったのに、実際に訪れたのは、意外にも四十代後半であった。
某テレビ局の仕事で、主人(ミュージシャンの宇崎竜童さん)ともどもレポーターに起用して頂いてのことだ。
中継場所は北イタリアのコモ湖。豊かな自然に囲まれた、美しい湖だ。
生放送ということで緊張したが、憧れの国に足を踏み入れて私はルンルン、とてもハッピーな仕事だった。
私たちが泊まったのは、元貴族の別荘だったホテルである。外観はもちろんのこと、調度品のひとつずつが高価そうで、さながら王侯貴族になったような気分だった。
コモ湖に着いたその日、私はホテル内のあるレストランで、シャンパンリゾットなるものを注文した。機内食で胃がもたれていたので、リゾットなら消化が良いだろうと思ったのだ。しかし、さして期待はしていなかった。
そもそもリゾットに対する私の評価は、その時までかなり低かった。日本でいえばおじやみたいで、冷蔵庫の余り物で作る家庭料理程度の認識である。
ついでに言えば、ニョッキはすいとん。わざわざお金を出してまで食べる物ではないと思っていた。
一口食べてみて、そんな印象が吹き飛んだ。シャンパンで煮込んだお米の優しい甘さが、口の中に広がる。アルデンテの食感も、食欲をそそる。
ちょっとしたカルチャーショック。日本のお米が世界一だと信じていたが、リゾットにはやはりイタリア産が合うようだ。
お見それしました、という感じである。当たり前のことながら、世界は広い。実際、本場で試してみると、目からうろこのことも多い。
そんな思い出を秘めた一品。焼きリゾットにスープを張ってあるので、お酒の後のお茶漬け感覚で召し上がって頂ければ、嬉(うれ)しい。(文・調理 あき・ようこ=作詞家)
焼きリゾットのおこげ
※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は当研究所までご連絡ください。
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