食品料理研究室
2004年度の企画概要
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新聞掲載用レシピ制作『阿木燿子の ほんのりきぶん』
ライブビストロも経営する女優・作詞家の阿木燿子さんが、お得意の酒の肴を教えてくれました。お酒にまつわる楽しいエピソードもお楽しみに。
新聞掲載用レシピ制作
 
5/21

高級素材使ってセレブな味に

 私が子供のころ、パイナップルは高価な食材だった。でも生で食べることはあまりなく、缶詰が主流だったように思う。
 その証拠に我が家に来客があると、いつも缶詰のパイナップルが出された。今ほど物が豊富ではなかった時代、それが精一杯の持て成しだったのだろう。
 母が長い菜箸(さいばし)を器用に使い、果実を硝子(がらす)の皿に盛る。そしてお玉で、トロリとした煮汁を掛ける。
 たまたまその場に居合わせると、その甘い香りに誘われ、私は思わず生唾(なまつば)を呑(の)み込んだ。
 そして毎回、あー、一度でいいからこの缶詰を独り占めにし、黄色い果肉を心ゆくまで貪(むさぼ)ってみたいと切望した。
 時折、あのころの強烈な思いがフラッシュバックする。だから、スーパーマーケットの果物コーナーに、パイナップルがさり気なく置かれていると、何やら腹が立つ。こんな安価になるなんてあんまりだ、と思うのである。
 もちろんパイナップルに罪はない。市場に出回る食品は、需要と供給のバランスで価格が決まることは百も承知である。しかし、それでも割り切れない気持ちが残る。
 そこで少女の夢よ、もう一度、ということで、パイナップルのイメージアップ作戦を試みることにした。
 高級感のある食材と組み合わせて、セレブ好みの一品を作ってみようと思い立ったのだ。
 動機はともあれ、フォアグラとパイナップルの組み合わせは、なかなかグーである。おまけにケーキ仕立てなので、見た目もゴージャスだ。この一品、絶対ワインにお勧め。
 ちなみに蛇足ながら、大人になってから、パイナップルの缶詰を一缶、一人で食べ切ってみたが、胸焼けとともに、ちょっぴりほろ苦い味が残った。(文・調理 あきようこ=作詞家)

ケーキ仕立てのフォアグラ

※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は当研究所までご連絡ください。

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