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“端っこ党”の簡単おつまみ
案外、端っこというのは美味(おい)しいものだ。それは炊き立てのご飯におけるお焦げに似ている。希少価値と同時に、香ばしい感じがするのだろう。
実際、端は焦げている可能性が高い。我が家でも、たまに宅配のピザを取ることがあるが、そんな時、チーズが狐(きつね)色になった周りの部分を、おせんべい感覚でバリバリと食べるのが、私は好きだ。
かまぼこや鳴門には焦げ目はないが、それに替わって、端っこの持つ不揃い感が食欲をそそる。
皿に盛り付ける前に、薄く切って口に放り込むと、妙に美味しい。もちろん適当な厚さに切って、コリコリとした食感を楽しむのが“ご御正道”だが、かまぼこの端を指で摘まんで、盗み食いのように食べる味も捨てがたい。
そういえば、子供の頃、遠足や運動会の当日、母が作ってくれたのり巻きの、端っこの味が忘れられない。妹と私は、エサを貰(もら)う雛鳥(ひなどり)のように、包丁を持つ母の横で、口を開けて待っている。その中に母が切り落とした端を入れてくれる。それをゴクンと呑(の)み込む時の、幸せ感といったらない。その一瞬が待ち遠しくて、朝から母に纏(まと)わりついていたくらいだ。
そう考えると、パンの耳は気の毒だ。サンドウィッチを作る時には、ほとんど捨てられてしまう。
君達だって、立派なおつまみになるんだよ、とパンの耳に言ってやりたくて、“端っこ党”を自称する私は、こんな一品を考えてみた。作り方は至って簡単。
パンの耳の間にチーズや辛子明太子をやハムを挟み、のりで巻き、揚げるだけ。香ばしくて、どんなお酒にも合う。おまけに材料費があまり掛からないのも、嬉(うれ)しい。
只今“端っこ党”の党員募集中。ぜひ、お試しあれ。(文・調理 あき・ようこ=作詞家)
パンの耳の磯辺巻き
※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は当研究所までご連絡ください。
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