食品料理研究室
2004年度の企画概要
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新聞掲載用レシピ制作『阿木燿子の ほんのりきぶん』
ライブビストロも経営する女優・作詞家の阿木燿子さんが、お得意の酒の肴を教えてくれました。お酒にまつわる楽しいエピソードもお楽しみに。
新聞掲載用レシピ制作
 
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今宵は“お宝満載”の一皿で

 久し振りに夫(ミュージシャンの宇崎竜童さん)とボートに乗った。陽光が肌を焼き、桜の花びらが水面に浮かぶ昼下がりだ。
 漕ぐのはもちろん夫だ。額には玉のような汗。オールを握る彼の手に力が入る。それを見て私がからかう。「後で筋肉痛にならない?」
 バカな、と夫が反論してきた。「こう見えても筋肉年齢は若いんだ。この間だってテレビ番組の取材で、階段を500段も上らされたけど、どうってことはなかった」
 後ろから来たボートに追突されそうになる。向こう側にも夫婦と思しき二人連れが乗っている。年齢は私達と同じくらいか。
 すいませーん、と声を掛けてきたのは女性だ。女性がオールを握っている。男性の方は昼食の準備なのか、デパートの紙袋から、お弁当やらジュースやらを取り出している最中だった。
 それを見て主人と私は、ニンマリ。力持ちの奥様と、心優しい旦那様。二人の関係が透けて見えそうだ。
 ボートの中に、食べ物が積まれていると嬉しい。それも溢(あふ)れるくらいに。
 タイを旅した時に見た風景で、一番印象に残ったのは、小舟での行商だ。野菜や果物を積んだ舟とすれ違う度に、妙にワクワクしたものだ。
 そんなイメージをもとにして作ったのが、この一品。漂流した小舟の中は“お宝満載”。ズッキーニを丸太に見立てて中をくり抜き、さっとオリーブオイルで焼いて、後は中身を詰め、オーブンに掛けるだけ。
 いざ食べる段になると、妄想癖のある私には、ズッキーニの小舟が、海賊の盗んだ宝船に見えてくる。
 ガブッと噛(か)む。意外にジューシィー。グリンピースとアサリのコンビネーションが意外に合う。
 晩春の宵はこんな一品で、ホロホロ酔うのも悪くないかも。(文・調理 あき・ようこ=作詞家)

ズッキーニの小舟

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