食品料理研究室
2003年度の企画概要
新聞掲載用レシピ制作『アレンジを楽しむ 週末の献立』
週末にゆったりと作りたい料理が主役。使い回し術や取り合わせる料理など、献立のヒントがいっぱいです。
新聞掲載用レシピ制作
 
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ハレの日のごちそうメニュー

 「しんじょ」とは、簡単にいえば魚介類のすり身を主材料にした練り製品のこと。漢字では真薯または●薯と書き、もともとは生地をつなぐ材料として米の粉(●)とヤマイモ(薯)を混ぜて使ったところからこの名がある。
 つなぎには、現在では小麦粉からとったでんぷんの浮き粉、水に漬けたもち米を干して粉にした道明寺粉、くずの根のでんぷんのくず粉などが使われ、さらにふわりとした口当たりにするため、ヤマイモや卵白を加えることが多い。
 「しんじょは作り方を覚えると便利な料理なんですよ。改まった日の特別な料理の趣があります。誕生日など、何かにつけての祝い事や、これからの時期だったら入園、入学、入社といったピッカピカの1年生がいる家庭のごちそうメニュ−に組み入れてもいいですね。簡単に作れるわりには、とても上等で存在感のある出来上がりになります」と、料理研究家の土井善晴さん。
 プロはしんじょ生地にタイ、ヒラメ、ハモにハマグリといった高級食材を使ったりするが、家庭では値段と味の折り合いがつき、かつ、扱いやすいという条件もクリアしないとなかなか使えない。
 「お勧めなのはエビです。今回は生を使っていますが、冷凍品でも十分おいしくできます。生地の口当たりをなめらかにするために普通は卵白を使いますが、私は卵黄を使ってコクを出し、サラダ油を少し加えてふんわりさせます。それに、つなぎの粉もどこの家にでもあるかたくり粉を使うので、そこもまた手軽なところです」
 「エビしんじょ生地」を蒸し上げてだし汁を張った〈吸い物椀(わん)〉は、「しみじみ、体と心に染み入る」というほど味わい深い料理。
 やわらかなしんじょ生地と、歯応えのあるタケノコとの味の対称が面白いのは〈タケノコからめ揚げ〉。どちらも春の木の芽のほか、夏はミョウガ、秋は食用菊、冬は黄ユズといった季節の香りを添えれば、四季それぞれの楽しみ方ができる。この料理、次世代へバトンタッチする味の一つとしてもお勧めしたい。(新海幸子)

 「エビしんじょ生地」は冷蔵庫で2日ほど保存できる。小さく平らにまとめて蒸し、ワサビじょうゆやショウガじょうゆで食べてもいい。油で揚げてさつま揚げ風や、また、熱湯でゆでてはんぺん風にしたものをカラシじょうゆで食べるのもおいしい。
 〈吸い物椀〉には、今の季節なら新タケノコを使ってワカメとともに煮る若竹煮と、タケノコご飯を取り合わせ、主菜にタイの刺身を添えれば春のごちそう献立に最高。
 〈タケノコからめ揚げ〉は別の日の主菜にし、煮魚、青菜のおひたしと合わせても。

注●は「こながき」と読む「米へん」の文字です

「エビしんじょ生地」を使った「吸い物椀/タケノコからめ揚げ」


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