食品料理研究室
2003年度の企画概要
新聞掲載用レシピ制作『わたしのイチ押し クイック丼』
食事の支度をする時間がないときや面倒なときに重宝する丼もの。
料理研究家の方々にとっておきのアイデアを教わります。
新聞掲載用レシピ制作
 
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日本料理家
斉藤辰夫さん

香ばしさと甘さ…光るプロの技

 プロの日本料理の技を一般の人たちにも身近に学んでもらおうと、辻調理師専門学校の教授を退き、4年前、東京・国立市に「斉藤辰夫料理スタジオ」を開設した斉藤辰夫さん(47)。同時に日本料理店「楽食一辰」もオープン。活動の場を東京に移して14年になるが、生まれも育ちも難波(なにわ)っ子だ。
 「関西の食卓に欠かせない食材の一つが油揚げ。きつねうどん、おいなりさん、かやくご飯、おばんざいにもよう使います。でも関西では薄揚げといい、油揚げと呼ぶようになったのは、僕も東京に来てからです」と斎藤さん。
 今回は、そのおなじみ食材をアサリと煮るオリジナル丼を紹介してもらった。名づけて〈アッサリきつね丼〉。
 まず油揚げはこんがり焼いて食べやすく切り、しょうゆと一味、または七味トウガラシを少々まぶしておく。
 「トウガラシでなく、ショウガの搾り汁やワサビ、サンショウでもいい。丼物のような単純な料理ほど、味のアクセントがものをいいます」
 アサリのむき身はゴマ油でさっといため、薄切りのタマネギを加えてちょっとしんなりするまでいためたら、水と砂糖、みりん、しょうゆを加えて一煮する。
 「アサリからうまみが出るので、だし汁は不要。ただしアサリから出るあくは必ず取って。そのままにすると、味に苦みが出ます」
 用意した油揚げと青ネギをどっと入れ、さっと煮て熱々ご飯にかけ、ウズラ卵をのせる。鼻をくすぐる油揚げの香ばしさ、甘辛の丼つゆにアサリのうまみとネギの甘みと香りが加勢し、トウガラシの辛みがほんのり後からやって来る。たかが丼に、仕掛けたプロの技が光る。
 「煮汁はかけ過ぎないように。ご飯が汁びちゃで、“おじやかいな”というような丼は、げんなりやから。もっと手軽にするならアサリはツナ缶でも代用可。その場合は缶詰の油でいためて。関西ではネギといえば九条ネギですが、白ネギ以外ならワケギでも万能ネギでもOK。きつねには、やっぱり青ネギです」
 ちなみに関東ではきつねは油揚げ、たぬきは天かすのトッピングを指すが、関西でたぬきというと、そばに油揚げがのってくる。
 「油揚げをそのまま刻んでのせ、たぬきという所もありますが、天かすはどこの店にもタダで置いてある。天かすにお金払う関西人はいてませんわ(笑)」。(山田冨起子)

アッサリきつね丼

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