食品料理研究室
2003年度の企画概要
新聞掲載用レシピ制作『わたしのイチ押し クイック丼』
食事の支度をする時間がないときや面倒なときに重宝する丼もの。
料理研究家の方々にとっておきのアイデアを教わります。
新聞掲載用レシピ制作
 
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料理研究家
磯村美代子さん

甘辛いたれをたっぷりかけて

 「この時期のカキって、身がぷっくらとふくらんで、味も栄養も充実していますよね。私も主人もカキフライが大好き。挙式を間近に控えて必死にダイエットをしている娘も、カキフライの誘惑にはコロリと負けますね(笑)」
 ユーモアたっぷりに語るのは、料理研究家の磯村美代子さん。都内で『ジョイクック&カルチャースタジオ』を主宰。和洋中の家庭料理から、おもてなし料理まで幅広く教えている。最近では『あったか生活! 秘伝! カテイの魔法』(TBS、毎日放送系)など、テレビでの活躍も目立つ。
 そんな磯村さんお勧めのクイック丼は、カキフライをみそだれで食べる〈みそカキ丼〉。ご飯の上にせん切りキャベツをふわっと広げ、その上にカキフライ。そこへみそだれをたっぷりかけるという。もう、たまらない! 聞いているだけで、そのおいしさは想像がつく。
 「みそも大好きで、トンカツもみそだれで食べたりするんですよ。そう、名古屋の名物料理、みそカツみたいに。〈みそカキ丼〉は、その応用。カキの土手鍋がおいしいように、カキとみそって相性もいいと思うんですね」
 みそだれに使うみそは、八丁みそに限らず、家庭にあるものでよい。磯村さんが使っているのは中辛口の仙台みそ。これに酒、みりんを加え、砂糖の量は味を見ながら好みで加減する。
 「みそだれは冷めるとかたくなりますので、少しゆるめの状態で火を止めます」
 キャベツやご飯にもとろとろーっと行き渡るような、中濃ソースくらいの濃度だ。
 みそだれができたら、キャベツを刻み、家族が帰宅したところでフライを揚げる。
 「カキフライだけは、アツアツを食べさせたいの。なのに主人や娘がさっさと食卓についてくれないと、ほんとに腹が立つ。『早く座って!』『冷めるよ!』って、つい怒鳴っちゃうんですよ(笑)」
 怒鳴り、怒鳴られ、家族間に不穏な空気が流れる。が、それも、〈みそカキ丼〉を食べ始めると、すーっと消えてゆく。揚げたてのカキフライに、甘辛いみそだれがこよなくおいしい。仕上げに添えたユズの香りも食をそそる。気がつくと、どの顔も満ち足りた笑顔に変わっている。
 そんな情景を、磯村さんは俳句に詠んでくれた。
 《温かく 家族寄り添い みそカキ丼》
 嫁いでいく娘さんに捧(ささ)げる一句でもある。(田中明子)

みそカキ丼

※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は、当研究所までご連絡ください。

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