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料理研究家
松田美智子さん
トッピングで楽しむ汁かけご飯
白菜のおいしい季節。みずずしい白菜を見かけ、1株買ったはいいけれど、使い切れずに持て余してしまうことはないだろうか。冷蔵庫に入れておくにも場所を取る。使いそびれているうちに鮮度も味も落ちていく…。
「もったいないですよね。私は白菜を1株買ってきたら、その場でみなざくざく切って、半分はその晩、お鍋にして食べ、残りもこんなふうに煮ておくんですよ」
そう言って料理研究家の松田美智子さんが鍋のふたを取ると、ふわーっ。一瞬にしておいしそうなにおいがキッチンに広がった。ほのかにショウガとニンニクの香りを帯びたいいにおい! 湯気の下から現れたのは、とろとろに煮込まれた白菜と豚バラ肉。酒と鶏ガラスープとで、色白の白菜を色白のままに煮上げた、品のいいスープ煮だ。
「白菜がとろとろになるまで30分ほどかかりますが、煮ている間は手間いらず。夕食の片付けをしながら作ってしまうんです」
そして夜のうちに“ながらクッキング”しておいたものが、翌日の昼食に活躍する。うどんを入れて煮込んでもよし。熱々を汁ごとご飯にかければ、アシスタントさんたちにも人気のまかない〈白菜と豚肉のとろとろ丼〉となる。
松田さんは、「もう、クイックさだけが取り柄の、雑な汁かけご飯なんですけど…」と謙遜(けんそん)しつつ、仕上げに温泉卵をのせ、きれいに刻んだ青ネギとユズの皮を散らす。とたんに気取りのない丼物が色めき、ごちそうめく。
「普段は最後の盛りつけまではしないんですよ。温泉卵もあしらい物もテーブルに並べておいて、めいめい好きな物をトッピングしていただくんです。あと、この丼には粗びきコショウがとても合いますので、たっぷりふりかけて召し上がってみてください」
勧められるままに、セルフサービススタイルの楽しいランチの仲間入りをさせていただいた。思った通り、白菜が豚バラ肉のうま味を吸って、しみじみおいしい。ショウガやニンニク、コショウの効果か、体もポカポカ温まる。
「半分ほど食べたところでラー油を少し落としたり、最後はお酢をかけてもさっぱりしておいしいんですよ」
やさしい味だから、プラスアルファの調味料で幾通りもの楽しみ方ができ、最後まで飽きずにいただける。この丼、きっとわが家の定番になる。そんな心はずむ予感がした。(田中明子)
白菜と豚肉のとろとろ丼
※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は、当研究所までご連絡ください。
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