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料理研究家
樋口秀子さん
山海の幸を合わせた、滋味に富む一品
「私はウナギが大大大好き(笑)。うちの冷凍庫には常にかば焼きが入っているんです。それを丼物にしたり、あえ物にしたり。ありとあらゆる料理に使うんですよ」
ニコニコ顔で語るのは、雑誌をはじめ、本紙料理面でも活躍中の料理研究家、樋口秀子さん。ウナギを“愛食”しているせいか、いつお会いしても元気ハツラツ。1日10数品にも及ぶハードな料理制作もなんのその。軽快なフットワークでキッチンをくるくると動き回り、鮮やかな手際で料理を完成させていく。
そんな樋口さんお勧めのクイック丼は、好物のウナギを使った〈ウナ玉山かけ丼〉。
ウナギとゴボウをさっと煮て卵でとじる、いわゆる柳川風のウナ玉なのだが、ここにナスを加え、最後にとろろをかけるというから面白い。
「ナスは『えっ、こんなところに?』と思われるかもしれないけど。たまたま1個余っていたときに入れてみたら、口触りもいいし、カサもちょっと増えて、まことに具合がよかったんです。時間があるときは、油でさっと揚げてから煮ると、よりおいしいんですけど。ナス1個のために揚げ油を使うのも大変なので、今回は揚げずに煮ますね」
煮汁は、だし汁にコクのあるウナギのたれを加え、調味料で味を調える。関西出身の樋口さんらしく、薄口の品のいい味つけだ。
さて、ウナ玉ができたら、とろろの出番である。実はとろろも、ウナギと並ぶ樋口さんの大好物。兵庫県・丹波産のツクネイモを常備し、せっせとすりおろしては、お味噌汁に落としたり、鶏つくねに混ぜたりして、日々、味わっているらしい。
「そう、それでウナ玉丼にもとろろをかけてみたら、ぐっとボリュ−ムが出ましてね。口触りもつるつるっとして、われながらちょっといいなと思っているんです。とろろにするのなら、粘りの強いイチョウイモやジネンジョがお勧めですが、手に入らなければ長イモでもいいですしね。すりおろすのが面倒なら、ポリ袋に入れてめん棒などでバンバンたたきつぶしてもいいんです。歯応えが残って、それもまたいいものですよ」
写真ではとろろを端のほうに遠慮がちにかけているが、実際にはウナ玉の全面にわーっとかけていただく。
山海の幸が渾然一体となって、滋味に富んだこの一品。ウナギ1尾で4人分もこしらえられる、ちょっとお得な丼でもある。(田中明子)
ウナ玉山かけ丼
※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は、当研究所までご連絡ください。
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