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10/9
料理研究家
塩田ノアさん
常備のたれで楽しむ秋の香り
「江戸っ子の“女房を質に入れても初ガツオ”とまではいかなくても、その季節がやって来ると、食べないと気がすまないものってあるでしょう。塩田家の場合、それが秋のマツタケと春のタケノコなの」と、料理研究家の塩田ノアさん(48)。塩田家とはノアさんの実家で、ご両親はグルメなご夫妻として有名な作家の塩田丸男さんと、料理研究家のミチルさん。
マツタケといえば、庶民には高嶺の花の食材だが、ノアさんが今回紹介してくれたのは、実家でもおなじみの一品という〈マツタケ親子丼〉。高級食材を惜しげもなく丼の具にしてしまうところは、さすがに食通一家ならではの思いつき。
「でも、父が子供のころは関西では山でマツタケがいくらでも採れたんですって。秋になると毎年、家族で牛肉や鍋を持って山に入り、マツタケのすき焼きを作ったとか」
関西育ちの年配の方々からも、昔は秋のすき焼きといえばマツタケがつきものだったという話をよく聞く。確かにマツタケはすき焼きの砂糖としょうゆの甘辛味にとても合うのだ。とすれば、似たような味つけの親子丼と相性がよいのも当然。
「丼や煮物は、昆布じょうゆの返しを常備しておくのが私のクイック技。返しの作り方は、煮詰めた酒とみりんを昆布、砂糖、しょうゆと合わせるだけ。昆布は漬け過ぎるとぬめりが出るので半日たったら取り出す。冷蔵庫で2週間以上もちます」
親子丼のたれも昆布じょうゆをだし汁で割るだけ。だし汁はパック入りの削り節を茶こしに入れ、熱湯を注ぐ即席だしでもよいとか。
「削り節は熱湯でさっとだしが取れるけれど、昆布は漬けておかないとうまみが出ない。だから昆布じょうゆを作りおきしておくと便利なんです。鶏肉は生で煮ると、皮がグニュっとした食感になるので、煮る前に皮面だけこんがり焼いておきます。これで余分な脂も取れます」
季節の香りを楽しむ親子丼だから、卵でとじる具は鶏肉とマツタケのみ。卵はあくまで半熟に火を通してご飯にのせ、仕上げにおまけの卵黄をポトン。
「卵かけご飯に近い、とろりとした親子丼。マツタケはかさが開く前のつぼみの状態が高級品とされますが、実は開いたものの方が香りが強いの。裂いて煮るなら輸入物の笠の開いたマツタケがお買い得です」(山田冨起子)
マツタケ親子丼
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