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9/11
料理研究家
石原明子さん
ハワイ生まれの“早うまレシピ”
石原明子さんは、40年以上も第一線で活躍する料理研究家。自らの目と舌と足を駆使して、日本中の隠れた名品を発掘する、うまいもの探しの達人としても有名だ。最近はそのえりすぐりの取り寄せ情報を『美味いものが食べたい』(講談社刊)という著書にもまとめた。
ところで、うまいもの探しと〈ロコモコ〉は、何の接点があるかと問われれば、これが根っからの食いしん坊を自認する石原さんの、面目躍如たる美味探究の旅につながっていく。何と、「“正調ロコモコ”を食べてみたい!」という理由だけで、本場ハワイにまで行ってしまったのだ。
「あちらに住む日系三世の友人が、〈ロコモコ〉は手をかけ過ぎたらおいしくないというもんですから。それを確かめるには、もう行くしかないですよね!」
〈ロコモコ〉は、早い話がハンバーグのっけ丼。今では代表的なハワイ料理になっているが、もともとは日系一世が、農作業の合間でも作れるように、簡単で食べやすい食事として考案したもの。ヒントになったのが、ご飯もおかずも一つにおさまる丼。遠い日本をしのぶ郷土色の濃い料理であったことから、ローカルを意味するハワイ語のロコに、特に意味はないが、語感のよいモコをつなげて〈ロコモコ〉と呼ぶようになったといわれている。
かくして、友人宅で食べた“本物”は、材料も作り方もシンプルそのもの。それまで石原さんは、プロに習った本格ドミグラスソースを上にかけていた。ところが、現地ではハンバーグの焼き汁をそのまま利用した簡単グレービーソースを使っている。これがしつこくなく、そっけなくもなく、白いご飯と目玉焼きにぴたりと合っていた。
「食べたいときにすぐ作れる“早うまレシピ”の典型」ということを発見。以来、石原家のハンバーグ作りは、〈ロコモコ〉用に冷凍保存する分も合わせると、いつもの2倍、3倍の量になっている。
石原家の便利な冷凍保存には、ほかにも“親子丼セット”がある。めんつゆ程度の味付けでさっと煮た鶏肉を、煮汁ごと1人分ずつ冷凍し、使うときは、凍ったままタマネギの薄切りとともに軽く煮て卵でとじ、ミツバやもみのりを散らすという一品。
手作り食品のストックは、後で楽するための手間貯金をしているようなもの。おいしいもの集めと同じ、“早うま”への近道だ。(新海幸子)
ロコモコ
※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は、当研究所までご連絡ください。
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