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料理研究家
久保香菜子さん
食感も小気味よく涼呼ぶ一品
京都で育ち、10代のころから、高級割烹(かっぽう)や辻調理師専門学校で料理の腕を磨いてきた久保香菜子さん。料理研究家として活躍する今は、正統派の和食から、庶民の胃袋をギュッとつかむ「ねこまんま」まで、幅広い料理を発表。そのどれもが「おいしい」と評判を呼んでいる。
「私自身のふだんの食事は、“ねこまんま系”が多いかな。それも、あんかけや汁かけご飯が好きなんです」
そんな久保さんが“夏におすすめ”と太鼓判を押す汁かけご飯が、〈焼きアナゴと漬物の冷やしだしかけ〉。
「精進料理の水飯(すいはん)からヒントを得たんです。本式の水飯は、ご飯を渓流の水で洗って、その水をかけていただくんですね。でも都会暮らしでは渓流は望めないから、冷水で洗って、冷たいだしをかけることにしました。これがさっぱりサラサラッと食べられて、暑い日には最高! お酒の後の仕上げにも、もってこいなんですよ」
ご飯にのせる具は、手製のぬか漬けに、たくあん、しば漬け、ミョウガに青ジソ。どれも手近にあって、ご飯が進みそうなものばかり。
「今日はちょっと気張ってアナゴを奮発しましたが、これは省いても大丈夫。漬物も、家庭にある好みのものでかまいません。ただ、しょうゆ味のものだと、ちょっとくどくなりがち。たくあんやしば漬けのように、塩味や酸味のある漬物のほうがさっぱりと食べられます」
材料がそろったら、後はトントン、ザクザクと刻むだけ。久保さんは「ご飯に混ざりやすいように」と、すべてご飯粒大に刻んでいくが、面倒なら大きく切ってもいい。
「冷やしだしは、冷蔵庫で2〜3日は持ちますから、時間のあるときに作っておいてください。そうすればもう、このご飯は2〜3分でできちゃいます」
しかも、まったく火を使わないのだから、暑い季節にはまことにありがたい。
ひんやりと澄んだだしに、青ジソの緑。見るからに涼を呼ぶ一品だが、食べ心地もさわやか! の一言。漬物の塩気、カリコリした食感も小気味よく、茶碗(わん)なら2〜3杯は軽くおかわりできそうだ。
「冷やしだしを作るのが手間なら、水出しの緑茶をかけて、塩をちょっとふってもいいし、アナゴの代わりにあぶって裂いた干物、チリメンジャコでもいいでね。ほんと、手軽ですから、ぜひ作ってみてください」(田中明子)
焼きアナゴと漬物の冷やしだしかけ
※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は、当研究所までご連絡ください。
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