食品料理研究室
2003年度の企画概要
新聞掲載用レシピ制作『おいしさふくらむ 乾物百科』
乾物独特の味わいを生かすのも、戻し方次第。
そのコツを実験で探り、持ち味に適した調理法を紹介します。
新聞掲載用レシピ制作
 
1/15

ゆば

たっぷりの煮汁でじんわりと

 精進料理には欠かせないゆば。栄養面、そして保存性にも優れているうえに消化がよく、万人に好まれるやさしい味わいと、いいこと尽くめの食材です。もっとふだんの料理に活用しましょう。
 【製法・種類】 ゆばは大豆の加工食品。一晩水に漬けてやわらかくなった大豆をすりつぶして加熱した後、布で漉して豆乳を作り、四角い木枠で仕切られた平鍋に流しこみます。湯せんにかけて煮詰めていくと表面に薄い膜ができ、これを引き上げたのが「生ゆば」。さらに半乾きにした後、巻いたり結んだりして再び乾燥させたのが「乾燥ゆば」です。これには、生ゆばを平らにたたんだ「平ゆば」、細巻き状の「切り小巻き」、昆布で結んだ「大原木」、何枚も重ねて巻いた太巻き状の「巻きゆば」など、形によって固有の呼び名があります。
 ゆばの産地は、京都と日光(栃木県)が有名です。京都は1枚で引き上げるため薄いのが特徴。その状態を葉に見立てて「湯葉」と書きます。一方、日光では二つ折りにして引き上げるため、厚みがあります。膜が張るのを波に見立ててて「湯波」と書いて、京都のものとは区別しています。
 【戻し方】 鍋物や煮物に使う場合は、戻す必要はありません。煮汁が軽く煮立ったところへ直接入れてください。汁物には巻のゆるいゆばが向きますが、このときも椀の中に乾燥ゆばを入れて熱々の汁を注ぐだけで大丈夫です。
 戻すのが必要なのは、〈エビ挟み揚げ〉のように平ゆばを包み皮として利用する場合。ゆばは1枚ずつぬれぶきんに包んで戻しましょう。
 【戻し率】 煮物にすると、元の重量の3〜4倍に増えます。煮汁は最低でも、ゆばの4倍量を使ってプラスしてください。
 【調理のポイント】 ゆばをおいしく煮るコツは、たっぷりの煮汁を用意すること、弱火で加熱した後、余熱でじんわり煮汁を含ませることの2点です。ゆばを入れたら、すぐ弱火にして煮くずれを防ぐいでください。
 ゆばが砕けてしまったり、細かくなってしまったら、みそ汁や青菜の煮びたし、いため物などの具に使ったり、揚げ衣にするのもお勧めです。(熊谷美知世)

いため煮/エビはさみ揚げ

※こちらの原稿はサンプルとして掲載しております。この原稿を無断で雑誌等に転載することは禁じられております。使用を御希望される方は、当研究所までご連絡ください。

画面を閉じる Copyright(C) FCG RESERCH INSTITUTE