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身欠きニシン
米のとぎ汁に一晩漬けて風味よく
アイヌ地方の保存食として生まれた身欠きニシン。江戸時代に各地に伝わり、山間の地域では貴重なタンパク源でした。京都のニシンそば、会津のサンショウ漬けなど、数々の郷土料理があります。
【製法・種類】 ニシンをそのまま素干ししたのが身欠きニシンです。まず、えらと内臓を取り除いて表皮が乾く程度に予備乾燥します。乾燥して扱いやすくなったところで、背身と腹身に分けて本乾燥へ。かつては天日で乾かしていましたが、今は機械乾燥が主体。かたくなるまで乾燥させた本干しのほか、一夜干しのようにやわらかいソフトがあります。
原料は大部分がカナダ、ロシア、ノルウェーからの輸入品で、それを北海道などで加工しています。
【戻し方】 ニシンは脂が多いため、乾燥中に酸化が進み過酸化脂質ができます。特有の渋みや臭みはこの過酸化脂質が原因。戻すときはやわらかくするのと同時に、過酸化脂質を取り除くことがポイントです。昔から米のとぎ汁が使われてきました。米ぬかには脂肪分解酵素があるうえに、酸化した脂質を吸着して取り除く力があるからです。今回、水と米のとぎ汁にそれぞれ一晩漬けて比べてみたところ、やはり水よりも米のとぎ汁のほうが脂臭さが抜け、風味よく戻っていました。
しっかり味つけする甘露煮や〈サンショウ煮〉では、米のとぎ汁に一晩漬けたらそのまま煮物に。一方、〈ぬた〉をはじめあえ物に使う場合は、戻した後、番茶でゆでるといいでしょう。生臭みが抜けて香ばしさが加わります。商品によってはうろこが残っていることもあるので、米のとぎ汁に漬けた後で丁寧に取り除くことも大切です。
戻す必要のないソフトタイプは、そのまま煮たり、焼いてあえ物に使ってください。
【戻し率】 やわらかくなるまで戻すと、本干しは1.5倍の重量に。ソフトは戻す前と変わりません。
【調理法】 煮物にする場合、調味料を入れるタイミングが大切です。しょうゆはやわらかく煮えてから加えること。加えてから長く煮ると身が締まってかたくなります。脂が強く、酸化しやすいので、保存は冷凍庫がお勧めです。(熊谷美智代)
サンショウ煮/ぬた
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