TV・新聞協力レポート
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フジテレビ・スーパーニュース
「暮らしの中の危害」


 2003年7月14日(月)放映

フジテレビ・スーパーニュースの「暮らしの中の危害」でカビの被害について、さまざまな場所で調査を行いました
サブ写真1
【番組内容】  
●フジテレビ :スーパーニュース
●コーナー 暮らしの中の危害
●テーマ :カビの被害
●放送日 :2003年7月14日(月)


 冒頭、千葉大学真菌医学研究センターの亀井教授による、「肺真菌症」の恐さについてコメントがありました。また、肺クリプトコッカス症の患者である山田氏(仮名)のコメントもありました。
 「肺真菌症」がどのようなものかは、後述します。

1)3年間全く掃除していないカビ屋敷を紹介

 放送では一般の住宅として紹介していましたが、実は軽井沢の別荘で、すでに住人が使用を放棄してしまった住宅です。
 エアーサンプラーによって、この別荘の空気中に浮遊するカビ数を測定したところ、表1のような結果となりました。普通の住宅の浮遊カビ数は300〜600/1立方メートルであるのに対して、ここでは10箇所の平均が6,680/1立方メートルでしたので、通常の10〜20倍量のカビ胞子が浮遊しているとの結果となりました。
 この別荘は雨戸をずっと閉め切っていた為に空気が動かず、このことから浮遊カビ数の測定値がこの程度に収まりましたが、風を通して部屋中に発生しているカビ胞子が俟ったとしたら、数値は1桁以上は上がったかもしれません。


<表1 エアーサンプラーによる空中浮遊カビの測定結果(1)>

検査日 :2003年6月9日(月)
検査場所 :軽井沢の別荘
検査実施者 :(株)エフシージー総合研究所 川上裕司
検査結果 :以下の通り


検 査 場 所 浮遊真菌数(CFU/m3)
1)玄関&居間 4,710
2)南側和室 5,420
3)南側和室(押し入れ) 7,960
4)中央和室 8,160
5)中央和室(押し入れ) 8,360
6)北側和室 7,200
7)通 路 6,920
8)台 所 7,280
9)トイレ 6,400
10)風呂場 4,390
※(CFU=colonyformingunit:平板培地による測定の意味)


2)世田谷区の築28年のマンションにお住まいの主婦Aさんのお話

 台所の東側の壁(コンクリートに壁紙を貼ったもの)にクロカビが発生したので、消毒用エタノールを使用してカビ取り作業を実施した際に、カビの胞子を大量に吸い込んだ可能性があり、咽に炎症が出たとのことでした。そして、3週間ほど咽がかれたような症状が続いたとのこと。これは大量のカビ胞子を吸い込んだことによる急性のアレルギー症状のように思われますが、エタノールを使用した際の掃除法に問題があったのかもしれません。消毒用エタノールは多くの種類のカビを死滅させる効果があります。使用する際には、ハンドスプレーに薄めずに入れて、カビの発生している箇所に万遍なく噴霧します。そして、3〜5分間置いてから、ペーパータオルか布きれで拭き取り、必ず廃棄しましょう。日頃、使っている雑巾や布巾で拭いて、使い回すことは禁物です!
 このお宅の空気中に浮遊するカビ数についても、エアーサンプラーで測定したところ、表2のような結果となりました。7箇所の平均は413/1立方メートルでした。この数値は、前述の通り、一般住宅での平均的な値でした。
 どこのお宅にも、このくらいの量のカビ胞子が浮遊しています。カビが旺盛に繁殖する条件は、

 @温度が20〜30℃、
 A湿度が80%以上、
 B水分活性が0.85AW、
 C栄養素がある、
 DpH5〜6の弱酸性を好む、
 E酸素が必要

の6つですが、特に@〜Bの条件を満たす場所がカビにとって好適です。台所やお風呂場にカビが生えやすいのはこの条件を満たしているからと言えます。


<表2 エアーサンプラーによる空中浮遊カビの測定結果(2)>

検査日 :2003年6月11日(水)
検査場所 :世田谷区マンション2F
検査実施者 :(株)エフシージー総合研究所 川上裕司
検査結果 :以下の通り


検 査 場 所 浮遊真菌数(CFU/m3)
1)玄 関 550
2)風呂場 760
3)トイレ 400
4)台 所 370
5)居 間 450
6)物置部屋 360
※(CFU=colonyformingunit:平板培地による測定の意味)
3)アスペルギルス症とクリプトコッカス症

 再び、肺クリプトコッカス症の患者である山田氏(仮名)登場。実際に、カビによる病を煩った方のコメントは迫力がありました。
 長崎大学第2内科の河野教授による、真菌症の話しがありました。

[アスペルギルス症]
 アスペルギルス(Aspergillus)属のカビによる感染症をアスペルギルス症と呼び、中でもアスペルギルス フミガタス(Aspergillus fumigatus)が最も重要な原因菌です。
 肺や気管支に好発し、数種の病型があります。以前は、肺結核の後に生じた空洞や肺嚢胞の内部で菌糸が繁殖した症例が多かったようですが、最近では血液疾患、癌、腎臓移植後に発生する侵襲型アスペルギルス症が増加しているようで、このような例では消化器、心臓、脳などに転移病巣ができることもあるようです。
アスペルギルス フミガタス(Aspergillus fumigatus)
[クリプトコッカス症]
 クリプトコッカス ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)による肺、脳、脳脊髄膜などへの感染症をクリプトコッカス症と呼び、カンジダ症、アスペルギルス症に次いで、発症例が多いようです。
 クリプトコッカスは同じ真菌でも酵母に属し、土壌や鳥類(ハトなど)の糞などから検出されます。クリプトコッカスは肺に侵入し、原発巣(孤立性小病巣)を形成します。病状が進行した場合には血行散布によって、脳をはじめ全身に病巣を形成することがあります。

4)カビの除去法について

 前述の世田谷区の主婦Aさん宅での、実際のカビ取り作業を紹介。
 専門業者であるクリーン・アートの作業手順が紹介されました。その手順と料金は以下の通りです。

 @カビ取り殺菌処理(24,500円)
 A防カビ処理●●●(28,000円)
 B諸経費●●●●●8,000円) 合計60,500円(税別)

 次に、生活アドバイザーの棚橋先生による冷蔵庫の野菜室のカビ取り法を紹介。手順は以下の通りです。

@ 野菜室の収納庫を外して、野菜を出し、中に溜まっているゴミなどを除去する
A 流しに持っていき、収納庫の中に台所用漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)の希釈液を満たして放置する
B 洗い流した後、収納庫を雑巾で拭き取る
C 収納庫に消毒用エタノールを噴霧してから、野菜室に戻す
D 野菜は洗って、ポリエチレン袋にいれて収納する

 さて、これらの手順に大きな間違いはありませんが、視聴者に誤解を生む可能性がありますので、補足しておきます。消毒用エタノールの使用手順は、最初に 行った方が良いでしょう。日頃、掃除をしていない冷蔵庫の野菜室には、必ずカビ胞子が付着(あるいはすでに繁殖)しています。先ず、野菜を出したら、これらのカビを殺菌するのが先決です。安易に出すと、カビ胞子を別の場所に飛散させることになります。
 ですから、上記の@は、以下のようにした方がベストです。

@ 野菜室の収納庫から野菜を出し、収納庫の内部全体に消毒用エタノールを噴霧する。5分以上経過してから外に出して、ペーパータオルを使って内部の細かなゴミを拭き取る。また、収納庫の外側にも消毒用エタノールを噴霧して、ペーパータオルで拭き取る。

 消毒用エタノールを使えば、更に台所用漂白剤を使う必要はありませんが、年に2〜3回、収納庫を取り外して、台所用漂白剤に浸けると細菌も含めてほぼ完全な殺菌ができるので良いと思います。ただし、浸けた後に汚れた雑巾で拭くのは本末転倒です。必ず、清潔なペーパータオルで水滴を拭き取るか、または、風乾させましょう!


5)カビの発生を予防する為の湿度コントロールについて

 最後の締めくくりとして、カビの発生を予防する為には湿度コントロールが大切であることを強調していました。ここで、エフシージー総合研究所の川上が実験した60%と85%でツチアオカビを培養した結果を紹介しました。
 カビは耐乾性のものも存在します。カメラのレンズやビデオテープに発生するようなカビは、多くの場合“カワキコウジカビ”など耐乾性のカビです。耐乾性のカビは湿度68%で発生するとの研究があります。そこで、屋内の湿度を65%以下にコントロールすれば、カビの発生をかなり抑えることができます。
 最近は、性能の良い除湿器やエアコンが市販されていますので、上手に利用すると良いでしょう。その為には、“温湿度計”を部屋の中央に設置して、屋内の温湿度を正確に把握することが大切です。
 カビは梅雨時だけでなく、結露の多い冬場にも発生します。日頃から、カビの発生しにくい住環境をつくるよう心掛けることが大切だと思います。

[この番組に登場人物の紹介]

 @千葉大学 真菌医学研究センター 亀井 克彦教授
 A肺クリプトコッカス症の患者 山田氏(仮名)42才男性
 B世田谷区の主婦Aさんと1歳の幼児
 Cエフシージー総合研究所 環境科学研究室 川上裕司
 D長崎大学 第2内科 河野 茂教授
 Eクリーン・アート(カビ取り業者) 小川 廣氏 他1名
 F生活アドバイザー 棚橋 節子先生

 尚、このレポートをお読みになってのご質問やご感想は、エフシージー総合研究所 川上裕司(kawakami@fcg-r.co.jp)までお願いします。
 電話でのご質問はご遠慮くださいますようよろしくお願いいたします。

(2003.07.18 環境科学研究室・川上裕司)


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