商品研究レポート
液体クロマトグラフィーによるうまみ成分の測定

「液体クロマトグラフィーによるうまみ成分の測定」

 産経新聞料理面9月18日の乾物百科の「煮干」の上手な出汁のとり方の記事のために、高速液体クロマトグラフィーを使って「煮干」のイノシン酸量を測定し、出汁を取る条件の違いによる出汁の抽出量を比較したのでその結果について紹介します。

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「おいしさふくらむ乾物百科」
高速液体クロマトグラフィー
高速液体クロマトグラフィー
【分析装置】
●●高速液体クロマトグラフィー

【分析方法】
カラム: ShodexイオンパックKC−811
移動相: 酢酸・酢酸アンモニウム溶液(1.5M,pH3.4)
流速: 1.0ml/min
カラム温度: 60℃
検出器: UV254nm,レンジ0.32
注入量: 5μl


【実験方法と結果】
 いりこ20gを水3カップ(600ml)に入れ、下記の条件で出汁を取り、最終的に全量を500mlに調整する。

No 条 件 出汁取り方法 mg/100ml
丸ごと そのまま加熱沸騰10分 17.4
丸ごと 1時間浸漬→沸騰後10分 16.8
丸ごと 2時間浸漬→沸騰後10分 20.6
丸ごと 一晩付け置き→沸騰後10分 31.8
頭とお腹を除いたもの そのまま加熱沸騰10分 19.6
頭とお腹を除いたもの 一晩付け置き→沸騰後10分 37.2
ハラワタだけを除く そのまま加熱沸騰10分 17.4
ハラワタだけを除く 一晩付け置き→沸騰後10分 33.5
1を半割(頭とお腹を除く) そのまま加熱沸騰10分 24.5


【上手に「煮干」の出汁を取る方法】

(1)美味しい出汁は浸漬時間を長く(丸ごとで比較)

浸漬時間とイノシン酸量
 煮出す時間を10分で止めても浸漬時間を長くするとしっかり出汁が出てきて、「一晩水に浸け置いて出汁を取る」という昔ながらの方法は、上品なうまみを引き出す最良の方法であることがわかりました。

(2)短時間で上手に出汁を取る方法

浸漬時間0分,煮出し時間10分での上手な出汁の出し方
 浸け置きすればいいことは分かりましたが、浸漬せずに上手に出汁を取る方法はないのでしょうか。浸漬時間0分,煮出し時間10分で試してみました。
 頭や内臓を取ると、取った分だけ表面積が大きくなるので、イノシン酸量が増えると予想していましたが、結果は期待していたほど増えませんでした。
 次に半分に割ってみるとイノシン酸の量がぐんと多くなり、短時間で旨み成分を効率的に出すことができました。
 短時間で上手に出汁を取るには、いったん頭を取って内臓を取り除いた後に半分に割って出汁を取るのがお勧めです。
頭と内臓を取る・きれいに頭が取れた煮干
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