情報調査部 危機管理研究室

あの企業事件を振り返る

こちらのページでは広報関連の企業事件情報を掲載しております。内容は会報誌に掲載当時のものです

2015年3月東洋ゴム―「免震ゴム」性能データ改ざん事件

社歴が長いというだけの古株の担当者が、指揮命令系統を無視した勝手なふるまいで、不正を行うケースがある。 これは、組織全体の無関心や相互監視機能、コンプライアンス意識の欠如が原因だ。今回は不祥事を繰り返しても懲りない企業をとりあげる(文中の肩書は当時)。

2015年3月13日、国土交通省は東洋ゴム工業(大阪市)が製造・販売したマンションや病院など大型の建物に使われる免震装置のゴム製部品について、 不良品の出荷やデータ偽装があったと発表した。同日夕、大阪市内のホテルで同社の山本卓司社長が会見を開いた。 問題のあった免震ゴムは子会社が製造したもので、全国55の物件で使われているが、具体的な建物名や所在地を公表しなかった。

 不良品やデータ改ざんの疑いは2014年の2月に浮上したが、確認作業に1年以上かかったと釈明した。だが、後日これは嘘だと判明する。  同社が、不良の免震ゴムを使った物件名を公表しなかったことから、3日間で2000件を超える問い合わせがあったという。発表の時期が3月だったこともあり、  定時株主総会で経営責任を問われた山本社長は「具体的な引責を考える」と答弁せざるを得なくなった。4月24日に弁護士ら外部の調査委員会が中間報告を公表。  2013年に偽装を行っていた担当者が異動し、後任者が上司の開発技術部長に報告、14年2月には製造する子会社トップも事実を把握していた。  同年5月には山本社長にも伝わっていたが、問題ないとする社内報告を鵜呑みにして、回収や公表を見送った。

 この1年間の遅れで、基準に満たない免震ゴムが、12物件501基に出荷された。山本社長はじめ代表権を持つ取締役3人と社内取締役2人が経営判断の甘さを理由に辞任に追い込まれた。 同社は、2007年に断熱パネルのデータ偽装が判明、当時の経営陣が引責辞任したが、教訓は全く生かされなかった。しかも同社のデータ偽装は、これら以外もまだあることが後日判明する。
(大手八郎)

※ 禁転載

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