情報調査部 危機管理研究室

あの企業事件を振り返る

こちらのページでは広報関連の企業事件情報を掲載しております。内容は会報誌に掲載当時の情報を元にしています

2011年9月 大王製紙事件-165億円をカジノですった会長の犯罪

2016年12月15日未明、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法が成立した。 ギャンブル依存症の問題や経済波及効果への疑問などについて十分な議論がなく成立した感は否めない。今回はカジノで狂った経営者の犯罪について振り返る。(文中の肩書は当時)。

2011年9月7日、ティッシュペーパーなどの「エリエール」ブランドで知られる大王製紙代表取締役会長で、創業家出身の井川意高(いかわ・もとたか)氏が、連結子会社7社から 長期間にわたり個人的用途のために多額の貸し付けを受けていたことが発覚した。これは、連結子会社からの告発を受けた大王製紙社長の調査指示によるもの。

 11年3月末までで約24億円、4~9月に約60億円を複数回に分けて借り入れていたことが判明した。24億円の借り入れについては、大王製紙の有価証券報告書にも記載されていたが、  同社の取締役、監査役ともに何らの指示・指導をしていなかった。なお、井川会長は連結子会社7社の代表取締役会長も務めており、子会社の役員は会長子飼いの部下で、  会長からの電話一本で担保もなしで貸し付けていたという。借り入れの総額は165億円で、井川会長はシンガポール、マカオ、ラスベガスのカジノにつぎ込んでいた。  会社側は井川会長を会社法違反(特別背任)で東京地検特捜部に告発状を提出、特捜部は逮捕に踏み切った。

 捜査の過程で井川会長と子会社の社長・専務ら幹部も共謀関係にあったと認定された。ただ役員らは、創業家の絶対的な権力者からの要求に逆らえない隷属的な立場だったとして、立件は見送られた。2013年6月26日最高裁は二審の東京高裁判決を支持、懲役4年の実刑判決が確定した。 大王製紙は創業家と経営陣が、経営権をめぐり内紛状態になった。さらには、創業家が同業の北越紀州製紙に持ち株を売ったことから、現在も三すくみの膠着状態となっている。
(大手八郎)

※ 禁転載

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