情報調査部 危機管理研究室

あの企業事件を振り返る

こちらのページでは広報関連の企業事件情報を掲載しております。内容は会報誌に掲載当時のものです

1998年6月 リクルート―「未公開株」贈収賄事件

東京・築地市場の移転問題や五輪関連の建設工事を巡っては、都議会などの有力議員による便宜供与疑惑なども報じられた。 政治家や高級官僚を巻き込んだ疑獄事件は数多くあったが、今回は「政治改革」が叫ばれるきっかけとなった事件を振り返る。(文中の肩書は当時)。

1988年6月18日、川崎市の都市開発を担当する助役が、リクルート子会社の「リクルートコスモス」の未公開株の譲渡を受けて、 1億円を超える利益を上げたと朝日新聞がスクープした。なお、同助役については、譲渡のわいろ性は認められず、 横浜地検は89年に不起訴処分とした。当時、未公開株の譲渡が法に触れることはなかった。 大蔵省の見解も「未公開株を誰に譲渡するかは会社側の自由。結果的に特定の人に設けさせることになっても規制はできない」というものだった。

 財界の一部でも、上場の際の株主づくりでは、有力者などに未公開株を譲渡するということが一般的という認識もあった。 当時リクルート社の広報課長で、著名な危機管理コンサルタントの田中辰巳氏も、未公開株の譲渡が大事とは思わず、初期対応が出遅れたと著作の中で述べている。  当然のことながら、リクルート創業者で同社会長の江副浩正氏、社長の位田尚隆氏も違法性の認識は全くなかったという。 位田社長は7月7日午後1時半からリクルート本社で会見を開いたが、値上がり確実な未公開株の譲渡について「企業のモラルに反する行為とは思わない」と回答したほどだ。

だが、未公開株が、自民党の森喜朗氏、加藤紘一氏らに続き、竹下登首相、宮澤喜一蔵相、安倍晋太郎自民党幹事長ら自民党各派閥トップにも渡っていることが明らかになると、 大疑獄事件へと発展した。この事件では、政界・官界のほか日本経済新聞社社長、NTT会長などに未公開株が配られていた。 最終的に政治家2人を含む12人全員が、執行猶予付きの有罪判決を受けた。合法・違法以前に、倫理観が問われた事件だった。
(大手八郎)

※ 禁転載

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