フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

災害用保温シートの効果調査
話題のハンディタイプ
『電動式シミ取り器』の実力は?

外出先で衣類について
しまったシミを落とす
ベストな方法を調査

 白や淡い色の衣類についてしまったシミは目立ちやすいもの。お気に入りの洋服にうっかりつけてしまった食べ物のシミや口紅、泥汚れなどを職場や外出先でも落とすことができるグッズを調査しました。

つけてしまったシミはすぐに処置を

 一般的に生地の表面についた汚れは落としやすいのですが、時間がたって浸み込み、繊維にからみついた汚れ、化学的に結合してしまった汚れは、落としにくくなります。シミをつけてしまったら時間をおかず、すぐに処置をすることが肝心です。そこで外出先などでシミをすぐに手軽に落とせるとうたうグッズを検証しました。  表1に示すテスト品の(A)応急シミ取り剤、(B)たたき洗い式と(C)超音波式の「電動式シミ取り器」、対照として(D)歯ブラシと(E)洗濯機を加えて評価しました。


表1:テスト品一覧






シミ取り方法

 5cm角に裁断した綿布(JIS布 カナキン3号)の中央に7種の汚れを直径9㎜の大きさで塗布したものを試験布とし、汚れを塗布してから10分後にテスト品を使用しました。使用した洗剤は中性の衣類用液体洗剤(スーパーナノックス・ライオン)です。
(A)付属の吸収シートの上に汚れ面を下にした試験布を置き、テスト品の先端でたたきます。1 秒間に4回の速さで垂直にたたき、10秒ごとにシートのきれいな面に移動させながら60秒間処理しました。
(B)付属のマットに四つ折りにしたキッチンペーパー(以後「ペーパー」)をのせ、汚れ面を下にした試験布を置き、テスト品を10秒ごとにきれいなペーパー面に移動させながら60秒間処理しました。
(C)5㎜の深さに水を張ったシャーレに試験布を浸し、汚れにテスト品の先端を60秒間当て続けました。

※ (B)(C)については汚れに洗剤を0・05g 滴下した条件でも実施しました。
( D )ペーパーの上に、洗剤を0・05g 滴下した汚れ面を下にして試験布を置き、水でぬらした歯ブラシで汚れ面を1秒間に4回の速さで垂直にたたき、10秒ごとにきれいなペーパーの面に移動させながら60秒間処理しました。
(E)Tシャツに試験布を縫付け、各汚れに洗剤を0・05g 滴下してから洗濯機の自動コース(洗い12分-->すすぎ2回-->脱水)で洗濯しました。

 (A)〜(D)はシミ取り後のすすぎ工程として、毎分300回転の速さの水流に試験布を10秒間浸漬しました。試験布の評価は、乾燥後に目視で1点から5点までの5段階で評価しました。テストは各5回行い、平均値を求めた結果を表2に示します。



シミ取り効果は

 (C)がワイン以外の汚れに対して、ほぼシミを落とすことができ、洗剤と併用するとさらに効果が高まることが分かりました。また、ほとんどの汚れに対して数秒で汚れを落とすことができました。(C)の超音波洗浄の原理は、液中の気体分子が弾けて壊れ、その物理的な衝撃で汚れを引き剥がします。超音波洗浄は人の手やブラシなどでは除去できない微細な汚れを取り除くことができ、身近なところではメガネやアクセサリーなどの洗浄などに使われています。一般的に超音波を発生させる振動板から対象物が離れれば離れるほど、洗浄力は低下する傾向になりますが、(C)は直接、振動板を汚れに接触させるため、高い洗浄効果が発揮されたと考えられます。なお、ワインは色素が繊維と化学的に結合しているため、超音波による物理的な洗浄では効果が出なかったと考えます。
 対照とした歯ブラシ(D)は、赤土には効果がみられました。土や泥は糸や繊維の目に入り込んでいるので、歯ブラシのような先端が尖ったものでたたき出すことで落とすことができたと考えます。

 (A)はファンデーションや口紅に対して効果が高く、テスト品の中で最もコンパクトな形態で、持ち運びやすく女性に嬉しいグッズといえます。
 (B)は、1秒間に約12回の速さでピストン振動を行うため、(D)よりはシミ取り効果が良かったものの(C)の超音波式より明らかに悪い結果でした。
 なお、洗濯機(E)によるシミ取り効果がそれほど悪くなかった理由は、洗浄時間が長いことによるものと思われます。
 シミを落とす性能で選ぶなら超音波式の(C)が、手軽に携帯するのであれば(A)がおススメです。シミを衣類につけてしまったときは、すぐに何らかの処置をするよう心掛けることが大切です。なお、今回テストしたグッズは水洗いが可能な衣類を想定したものです。色落ちするものや和服、皮革製品など水洗い不可の衣類には使用しないようご注意ください。



表2:テスト結果/シミ取り後の写真



外出先で衣類についてしまったシミを落とすベストな方法を調査/pdfレポートをダウンロードする

(2017.10.16 生活科学研究室)

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