フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

ショッピングバッググリップの性能 



 買い物帰りにレジ袋の持ち手が手に食い込んで痛い経験をした人は多いと思います。ここ最近、持ち手に簡単装着するだけで、痛くならずに持ち運べるショッピングバッググリップ(以下、バッググリップ)が種類も豊富に販売されています。そこで、手の食い込みや指への負担が軽減されて持ちやすくなるかを調べてみました。テストしたバッググリップは4点。荷物用持ち手、持ち手幅の広いエコバッグも合わせて比較してみました。


テスト品

 テストは、以下のバッググリップを調べました。


表1:テスト品一覧







テスト項目

1)食い込み具合
 バッググリップの有無で食い込みに違いがあるのか、工作用粘土を使用してモデル実験を行いました。袋に1kgの重りを入れ、手に見立てた長方形の粘土塊(幅7cm×厚み2.8cm)の上に30秒間つり下げ、外した後の粘土の形状を観察しました。変形が少ないほど痛くなりにくく持ちやすいと評価しました。


図1:実験風景




2)指への負担
 持ち手を握っている指にはどの程度の力がかかるのか、親指に感覚を数値化するセンサーを取り付け、1kgの重りを入れた袋を持った際の親指にかかる最大負荷を測定しました(測定機:HapLog/テック技販)。測定は2名の女性研究員で実施しました。テスト品1点につき3回の測定を行い平均値を算出。数値が小さいほど、負担が少ないと評価しました。



写真1:実験風景




3)持ち方や荷物の変形具合
 グリップの有無による持ち方や袋の中の荷物の状態に違いがあるのか、実際に荷物を入れたレジ袋を持った状態を観察しました。





結 果

1)食い込み具合
 バッググリップの有無で食い込みに違いがあるのか、工作用粘土を使用してモデル実験を行いました。袋に1kgの重りを入れ、手に見立てた長方形の粘土塊(幅7cm×厚み2.8cm)の上に30秒間つり下げ、外した後の粘土の形状を観察しました。変形が少ないほど痛くなりにくく持ちやすいと評価しました。


写真2:食い込み具合


 グリップなし(レジ袋)は両端が深く粘土に食い込み、下端まで粘土が押し下げられて変形したのに対し、バッググリップはどれも変形は少なくなりました。特にCは上面にごくわずかに跡がつく程度でほとんど食い込みは確認されず、A、B、Dも両端に凹みが見られる程度でした。幅広エコバッグ、荷物用持ち手もバッググリップには及ばないものの、変形は少なくなりました。
 Cの変形がごくわずかとなった要因としては、他のグップに比べ、握り込む部分の長さが12cmと長く直線的なデザインで、手にかかる重さが均等に分散されたためと考えられます。また荷物用持ち手は握り込む部分がCの形状と近いにもかかわらず、他のグリップとは違い、グリップなしと同様に粘土の幅全体が変形していることから、手への食い込みを防ぐには、太さ(幅)も重要な要素と考えられます。
 今回のテストで評価したエコバッグは、持ち手幅が広い6.5 cmのものを使用しました。グリップなしよりも変形が少なくなっていることから、薄手のエコバックでも持ち手幅を広くすることで、ある程度の食い込みは緩和されることがわかりました。




2)指への負担
 測定の結果を 図2 に示します。


図2:最大負荷


 最大負荷を比較すると、どちらの研究員もバッググリップの数値はグリップなし(レジ袋)に比べかなり減少しました。食い込み具合のモデル実験結果と同様に、Cが最も数値が小さく、どちらの研究員もグリップなしの半分以下に減少しており、指への負担は非常に少なくなることがわかりました。次に指への負担を軽減したのはAで、B、Dはともに、荷物用持ち手、幅広エコバッグと同程度の軽減になりました。




3)持ち方や荷物の変形具合
 観察の結果を 写真3 に示します。


写真3:持ち方と荷物の状態



 1回の買い物を想定して、実際に食品を入れたレジ袋を使用して、持ち方や中の荷物の状態を観察しました。食品は牛乳パック、卵パック(10個入)、食パン、袋入りスナック菓子、箱入りスティックコーヒー2箱の計6点を入れました。
 一般的なスーパーやコンビニなどで使用されているレジ袋にはマチがついており、荷物を入れていくと、底部はマチ部分を短辺とした長方形に広がります。荷物を入れたレジ袋を持ち歩く際には、足さばきがいいように、握った手の甲はグリップなし(レジ袋)の写真のように進行方向の前後どちらかに向け、レジ袋の長辺を体に沿わせて持つようになります。BとDはレジ袋の持ち手をグリップに挟み込んで包むように装着するタイプなので、グリップなしと同様の持ち方となります。これに対して、Aと荷物用持ち手はグリップの両端にレジ袋の持ち手を引っ掛けて、Cはリングにレジ袋の持ち手を通して装着するタイプなので、手を自然に内側に向けた状態でレジ袋の長辺が体に沿う位置となり、バッグ感覚で持つことができます。荷物を提げて持ち歩く場合、手は自然に内側に向いている方が歩きやすく、疲れにくいと考えます。
 レジ袋の中の荷物の状態については、食パンなどの柔らかいものはレジ袋の口がすぼまると、上部が変形しやすくなります。Aはグリップの両端に持ち手をかけるようになっていますので、口がすぼまることがなく、上部の変形が抑えられます。荷物用持ち手もAほどではありませんが、口のすぼまりは少なく変形がある程度抑えられます。
 また、Cは重心が下方に移動するので、身長にもよりますが、荷物が多いと、足さばきが気になる可能性があります。
 荷物の入れ方によっても持ちやすさが変わってきますので、牛乳パックなどの形が崩れないものを使って安定した土台をしっかり作り、その上に崩れやすいものを入れるなど、入れ方にも工夫するといいでしょう。




まとめ

 テスト結果を一覧表(表2)にまとめました。


表2 接着力試験結果


 今回のテスト結果から、バッググリップを使用すると、手への食い込みが緩和され、指への負担も少なくなるので、持ちやすくなることが確認できました。手のサイズにもよりますが、握り込む部分は手の幅よりも長く、直線もしくは手の形状に近いごく緩やかなカーブで、太くしっかりとした固さのものの方が、手や指にかかる重さを均等に分散させて、食い込みをしっかりと防止できます。また、バッググリップによって体に対するレジ袋の方向が変わってくるので、装着方法も選ぶ際のポイントとして、チェックしてみてください。
 持ち手幅の広いエコバッグもバッググリップほどではありませんが、レジ袋に比べて、食い込みや指への負担が軽減されていました。エコバッグは軽く、場所もとらないので、手持ちのものがあれば、バッグに入れておくと便利です。

(2016.09.21 生活科学研究室)

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