フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

肉団子 ふっくらさせるコツ

肉団子
ふっくらさせるコツ

ひき肉をよく練って作る肉団子は、つみれ鍋などの鍋種に重宝する。この「ひき肉を練る」作業は、シュウマイや揚げ団子などを作る際にも行う基本的な調理工程のひとつ。肉団子をふっくらジューシーに仕上げるコツを調べた。

研究目的

肉団子をふっくらジューシーに仕上げるコツを料理熟練者に問うと、「ひとつは、水分を加えること」と答えが返ってくる。
そこで、「肉だけ団子」と「加水団子」を作り、比較した。

実験

《【鶏団子】の材料》

肉だけ団子 鶏ひき肉200g、塩2g、おろしショウガ5g  (写真1)
加水団子 鶏ひき肉200g、塩2g、おろしショウガ5g、水1/4カップ

写真1:鶏「肉だけ団子」材料
写真1 : 鶏「肉だけ団子」材料

《【豚団子】の材料》

肉だけ団子 豚ひき肉200g、塩2g、おろしショウガ5g  (写真2)
加水団子 豚ひき肉200g、塩2g、おろしショウガ5g、水1/4カップ

写真2:豚「肉だけ団子」材料
写真2 : 豚「肉だけ団子」材料

《作り方》
鶏肉、豚肉とも「肉だけ団子」は、ひき肉に塩2g、おろしショウガ5gを加えてよく練り、冷蔵庫で30分休ませた後、約25gずつの8個に丸めた(写真3)。いずれの肉も練る時間は同じにした。
「加水団子」の場合は、「肉だけ団子」と同じ時間をかけて肉をよく練った後、数回に分けて水を加えながらさらによく練り、丸めた。1個の重量を「肉だけ団子」と同じにし、鶏「加水団子」は10個を、豚「加水団子」は12個を作った。

写真3-1:鶏団子 スプーンを使って丸める
写真3-1 : 鶏団子 スプーンを使って丸める

写真3-2:豚団子 手で丸める
写真3-2 : 豚団子 手で丸める

《加熱》
加熱方法は、ゆでと電子レンジとし、中心温度が90度以上であることを確認した。
ゆで時間は、軽く沸き立つたっぷりの湯の中で4分間とした(写真4)。

写真4:軽く沸き立つ湯でゆでる
写真4 : 軽く沸き立つ湯でゆでる

電子レンジ加熱は、耐熱性のガラス丸皿に肉団子をドーナツ状に並べ、ふんわりとラップをかけて行った。
加熱時間は重量に比例させ、鶏肉、豚肉とも「肉だけ団子」は600W4分(写真5)、鶏「加水団子」4分30秒、豚「加水団子」は5分20秒加熱した(写真6)。

写真5:豚「肉だけ団子」加熱前と後
写真5 : 豚「肉だけ団子」電子レンジ加熱前と後

写真6:豚「加水団子」加熱前と後
写真6 : 豚「加水団子」電子レンジ加熱前と後

《結果》
加熱すると、肉団子は締まって肉汁や脂肪が抜け出す。
ゆでた後、湯には脂肪が浮いた。また、電子レンジ加熱では肉汁が流れ出て、特に「加水団子」の流出量は多かった。 それでも、加熱前後の重量を比較すると、鶏肉も豚肉も、ゆでもレンジ加熱も、ともに「加水団子」の方が「肉だけ団子」よりも抜け出さずに残っている肉汁や脂肪の量が多く、重かった(図1)。

図1 : 肉団子の重量変化
図1:肉団子の重量変化

豚団子を包丁で切って、断面を観察した(写真7)。
「肉だけ団子」は、肉の粒同士がかたく密着している。
対して「加水団子」は包丁で力を加えると、切るよりも肉同士のつながりがほどける方が早く、くずれてしまったが、肉の粒の間に空間が見られる。

写真7:豚「加水団子」(左)、豚「肉だけ団子」(右)の断面
写真7 : 豚「加水団子」(左)、豚「肉だけ団子」(右)の断面

食べてみると、「肉だけ団子」はかたくしまってボソボソした食感なのに対し、「加水団子」はふっくらとして弾力があり、ジューシーだった。
料理熟練者が言う通り、水を加えた肉団子の方が明らかにおいしかった。

水を加えるコツ

生肉の繊維状のタンパク質は塩を加えてよく練ると粘りが出てまとまる力が強くなる性質がある。この「まとまる力」が「水を抱き込む力」になるため、水を加える前に、しっかりと練ることが重要なプロセスとなる。
練り加減は脂肪の状態を目安にするとよい。ひき肉全体が白っぽくなるまでよく練ると、ボウルの内壁全面に白い脂肪が付着してくる(写真8)。これを確認した後、水を少しずつ加えながらさらに練り上げると、驚くほどの水を含ませることができる。
また、ひき肉は冷蔵庫から出したての冷たいものを使うことも、大切である。

写真8:豚「加水団子」(左)、豚「肉だけ団子」(右)の断面
写真8 : よく練るとボウルの内壁全体に脂肪が付く

応用

実際の調理では、塩のほかにも調味料や副材料を加える。それらを加える順も肉団子のでき上がりに大きく影響を及ぼすので、加える順を表にまとめた。

練り始める前に加えるもの ・塩やしょうゆなど、塩分を含む調味料
・砂糖など水分の少な調味料
・肉の臭みを消すためのショウガやニンニク
水と同時に加えるもの ・酒やスープ
練り上げた後に加えるもの ・片栗粉などのデンプン
・ごま油などの油脂
・刻んだ長ネギやタマネギなどの野菜

まとめ

肉団子のレシピでは、ひき肉に加える水や調味料、副材料を一括して表記し、「ひき肉に加えて練る」とだけ説明されることも少なくない。しかし、今回の実験で、ひき肉に塩分を加えてよく練り、肉の粘りを十分に出してから水分を加えると、ジューシーに仕上がることがわかった。
レシピの表記にかかわらず、まずは「ひき肉に塩分を加えて練る」とよいだろう。
また、「加水団子」はおいしいだけでなく、かさ増し効果もあるため、1個あたりのカロリーが少なくなる点も魅力である。

(2013.12.06 食品料理部門)

▲PageTop