フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

おいしい温度を長持ちさせる ~味噌汁編

おいしい温度を
長持ちさせる ~みそ汁編

寒さが身にしみ、温かい汁物やスープがおいしく感じられる季節は、料理が冷めやすい季節でもある。
そこで、みそ汁を例にとって、おいしいと感じる温度と、その温度を食卓で長持ちさせる方法について調べた。

研究目的

具を入れないシンプルなみそ汁を作り、おいしいと感じる温度と冷める速度を測定し、その速度を緩やかにする方法を検討する。

実験材料および容器

 みそ : 「お徳用みそ汁合わせみそ」ハナマルキ株式会社の調味みそ 1袋16.7g
 熱湯 : みそ1袋に対して160g
 お碗 : 容量350ml、直径10.5cmの木製汁椀

おいしい温度

みそ汁をおいしいと感じる温度を評価した。

《方法》
沸騰する直前の約95℃のみそ汁をお碗によそって提供し、飲みながらおいしいと感じる温度を測定した。味覚試験は研究員4名で行った。

《結果》
約95℃だったみそ汁は、お碗によそうと約85℃になる。それをすぐに飲んでおいしいと感じる人もいれば、少し冷まさないと飲めない人もいた。
おいしいと感じる温度は65℃~75℃の幅があり、60℃くらいがぬるくなく、おいしく食べられる限界の目安と感じられた。

冷める速度

室温24℃で、みそ汁が冷める速度を測定した。

《方法》
沸騰する直前の約95℃のみそ汁をお碗に150g注ぎ、時間を追って温度を測定した(写真1)。

写真1:実験写真
写真1 : 実験写真

《結果》
みそ汁の温度変化を図1に示した。
温度は注いだ直後から急速に低下し、2分で75℃、5分で65℃になった。6分を過ぎると、ぬるく感じ始める温度になってしまった。
つまり、おいしいみそ汁が飲めるのは「よそった後の5分間だけ」ということになる。
料理は表面から冷めるが、みそ汁はサラサラの液体なので対流が起こりやすく、冷めた表面と温かい内側がすぐに混ざってしまうため、冷めやすい料理といえる。

図1:みそ汁の温度変化
図1 : みそ汁の温度変化

予防策【1】

温度低下を防ぐため、片栗粉でとろみをつけて温度の経時変化を測定した。

《方法》
0.5%濃度、1.0%濃度の片栗粉液を作り、みそを溶き混ぜる。
これを沸騰する直前の約95℃まで温め、お碗に150gを注いで温度を測定した。

《結果》
片栗粉0.5%濃度のみそ汁は、65℃になるまで10分、片栗粉1%濃度のみそ汁で15分と、冷める速度はとろみが濃いほど緩やかになった。
片栗粉でとろみをつけると、みそ汁液の対流が抑えられ、冷めにくくなることがわかった。
ただし、とろみは味わいにも影響する。
1.0%のものは見ただけでとろみを感じ、味わいの好き嫌いも分かれた。一方、0.5%のものは冷めると濃度を感じるものの、最後まで違和感なく飲めた。

予防策【2】

温度低下を防ぐため、ラップをかけて温度の経時変化を測定した。

《方法》
沸騰する直前の約95℃のみそ汁150gをお碗に注いですぐにラップをかけ、時間ごと温度を測定した。

《結果》
15分後でも65℃を保つことができ、蓋は非常に効果的な保温方法であることがわかった。
これは、表面に触れる冷たい空気を遮断し、対流も防ぐためである。

まとめ

みそ汁は冷めやすい料理であるため、「食べる直前にお碗によそう」ことが基本といえる。
そして、すぐに食べられないときは「蓋をする」、場合によっては「とろみをつける」ことで、おいしい温度を長持ちさせることが分かった。

(2013.11.15 食品料理部門)

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