フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

光沢評価開始しました

〜口紅・ネイル・整髪料・皮脂テカリ〜 グロッシーメーター

 美容・健康科学研究室では、化粧品をはじめ、トイレタリー用品、理美容器具などの評価を行っています。今回は今春導入しましたCourage+Khazaka 社製「Skin-Glossymeter ® GL200(以下、グロッシーメーター)」(写真1)を用いた光沢評価の実例をご紹介します。

測定原理

 グロッシーメーターは測定面に当たった光の反射量を測定することで「光沢」を測る装置です。図1のように内蔵のLEDから白色光を発光し、プローブ内部の鏡で反射、60度の角度で測定面に当てます(緑色の矢印)。二つの個別の測定チャンネルで直接反射光(入射角=反射角 青色の矢印)と拡散反射光(散乱されたもの 赤色の矢印)を測定します。
 産業用の光沢計は、構造、色、明るさが同じような表面を比べるので、プローブが発した光の拡散反射は無視できます。一方、グロッシーメーターは皮膚表面の光沢用に作られています。皮膚は構造、明るさ、色が人や部位によって異なります。散漫散乱補正を行うことで、これらの差異が考慮され、ほぼ排除することができるので、異なるスキンタイプの光沢測定を可能にしています。

測定原理

口紅の艶

 2000年代、若い女性のリップメイクと言えば、肌に馴染むような色味で、リップグロスを使い、艶々に仕上げるのが主流だったかと思います。最近は好みやその日の気分でリップメイクを変える女性が増え、はっきりとした濃い色味だったり、透け感はあるけれど、色落ちしにくいティントタイプだったり、質感がマットだったりと様々な商品が店頭に並んでいます。
 今回は艶の出るタイプとマットなタイプの口紅を比べてみました。艶タイプは棒紅2品、リキッドルージュ2品、リップティント2品。マットタイプは棒紅1品、リキッドルージュ1品の光沢度を測定しました(図2)。
 口紅の艶タイプとマットタイプの境は光沢度で10付近にありそうです。艶タイプの中では見た目の印象(表1)と同様に、リキッドルージュの光沢度が高いという結果になり、数値と見た目が相関していることがわかります。

口紅の光沢度

トップコートの艶

 ここ数年、セルフネイル用のグッズが充実し、自宅で気軽にネイルを楽しむ人が増えています。仕上がりを決めるトップコートもぷっくりとして艶やかなものや、すりガラスのようにマットで落ち着いたものがあり、同じ色のネイルエナメルを使っても、トップコートで仕上がりの印象を変えることができます。
 今回は艶タイプ7品とマットタイプ2品の光沢度を測定しました(図3)。
 トップコートは口紅とは異なり、艶タイプとマットタイプで数値に大きな開きが出ました。化粧品の中でも塗料に近く、測定面も平滑なので、艶タイプはより強く光を反射できたようです。一方で光沢の強さゆえ、人の目では商品間の違いを見抜くのが難しくなります。このような場合でもグロッシーメーターを使えば、光沢の違いを表すことが可能になります。

口紅の光沢度

整髪料の艶

 当研究室にお問い合わせを頂く機会の多い毛髪評価は、数値化をするのが難しい案件でもあります。
 今回は毛髪に艶を与える3タイプの整髪料を比べてみました。女性に使用者が多いヘアオイル3品、さらっと軽い仕上がりで艶が足せるグロススプレー3品、主に男性がウェット感と艶感を出すために使用するグリース2品の光沢度を測定しました(図4)。
 口紅やトップコートと比較すると光沢度の値が小さく、タイプによる差も小さいことがわかります。毛流れを整えても、毛髪の断面は円形に近い形状であるため、測定面は平滑になりません。そのため、光を反射する量が少なくなったようです。しかしながら、無塗布と比較し、見た目(表2)も数値も全く差がない訳ではないので、サンプル数や試行回数を増やすことで、測定データの精度向上が期待できます。

整髪料有無による見た目の印象

化粧下地の皮脂テカリ防止効果

 ここまで光沢の中でも美しい輝きをイメージする「艶」の評価例を挙げてきましたが、グロッシーメーターでは皮脂による皮膚表面の「テカリ」も測定することができます。
 皮脂によるテカリや崩れが防止できることを謳っている化粧下地6品(A〜F)を実際に人の肌に塗り、その経時変化を塗布直後の午前10時から6時間後の午後4時まで追ってみました(図5)。
 塗布直後、いずれも無塗布より光沢度が低く、どちらかと言えばマットな仕上がりになりました。皮脂に強い化粧下地は、使用感がさらっと軽いものが多く、脂性肌の人にはもちろんですが、マットな仕上がりを好む女性にも向いているようです。
 昼食後の4時間後、無塗布の光沢度は増加しました。化粧下地を塗布すると、塗布直後より数値が上がるものもあれば、下がるものもありました。しかしながら、光沢度が高いものでも無塗布よりは低く、また午前10時の時点での無塗布と同程度に抑えられました。
 6時間後、無塗布の光沢度はさらに増加。化粧下地を使用した場合も、塗布直後よりは数値が上がりました。それでも無塗布よりは低く、評価に使用した化粧下地は全て皮脂テカリを防止できるという結果になりました。

化粧下地の光沢度


 今回はグロッシーメーターを使用した評価例をご紹介させて頂きました。例に挙げた以外にも、口紅では保湿やなめらかさ、ネイルでは乾きのはやさや擦れにくさ、整髪料ではまとまりやべたつき、化粧下地では肌を明るく見せるかや紫外線防止効果等の評価も行っています。目的に応じた新しい評価も検討可能です。お気軽にご相談ください。

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(2017.9.29 美容・健康科学研究室)

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