フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

クレンジングシートの評価

クレンジングシート商品写真

今回テストしたのは、旅行やスポーツの後など外出先でのメイク落としに携帯しやすく便利なクレンジングシートです。ドラッグストアやコンビニエンスストアなどで購入できる手軽さからユーザーも多く、店頭に並ぶ種類は意外に豊富。そこでタイプの異なるクレンジングシートの性能を調べてみました。

試験概要

オイルインタイプ2点、オイルフリータイプ4点の計6点のクレンジングシートを使用し、マスカラ2種(フィルムタイプ、ウォータープルーフタイプ)と口紅の落ち具合と使用感評価としての肌刺激、しっとり感を評価した。あわせてシートに含まれるクレンジング液量やシートの厚み、強度、耐久性について調べた。

試験品

表1:試験品一覧

各商品の詳細については一覧に示す。

表1:商品特徴の一覧

試験項目

1. 使用感評価(7段階)
被験者6人がそれぞれ1点ずつ試験品を使用し、以下の7段階で評価する。
 7=非常に良い 6=かなり良い 5=やや良い 4=普通
 3=やや悪い 2=かなり悪い 1=非常に悪い

2.性状・強度評価
(1) 1枚に含まれる液量
湿潤状態と室内に放置して風乾させた状態の試験品の重量を測定し、1枚に含まれるクレンジング液の量を算出する。

(2) 厚み
室内に放置して風乾させた試験品の厚みを「ショッパー型厚さ測定機(TCM-N1010)」で測定する。

(3) シート強度
試験品1点につき湿潤状態*と乾燥状態**の各1枚を用意し、繊維のタテ・ヨコそれぞれの方向に沿って5×7cm大に切る。各試験品4枚ずつのシート片を「引っ張り試験機(EZ-L/SHIMADZU)」で引っ張り、応力を測定する。
  * 湿潤状態はクレンジング液を含浸しているシート
  ** 乾燥状態は室内にて一昼夜風乾し乾燥させたシート

(4) 耐久性
「摩擦試験機(RUBBING METER FR-2/スガ試験機)」を使って2cm角に切った試験品のシート片を試験機のハンマー部分に取り付け、別珍の布片を摩擦面にセットし、50往復こすり合わせた後、それぞれの状態を観察する。

試験結果

1. 使用感評価
被験者6人(20代前半女性)による使用感評価の結果を下表に示す。

表2:クレンジングシートの使用感評価

フィルムマスカラの落ち具合は①と②が「かなり良い」という評価だったが、他の試験品もほぼ落とすことができた。一方、ウォータープルーフタイプではかろうじて「ふつう」評価だった②を除き、5種類のシートはほとんど落とすことができず「非常に悪い」という結果になった。
マスカラが良く落ちたと評価された①と②はどちらもオイルインタイプであるが、口紅の結果では、②は「非常に良い」だったものの、①は「やや悪い」と評価が分かれた。
「肌刺激」では②の「非常に良い」をはじめ①③④が「かなり良い」と全体的に満足度の高さが目立つ中、「かなり悪い」評価となったのが⑥であった。また、「しっとり感」では評価にややバラツキが見られたが、ここでも①と②は高評価を得た。洗浄力が高いオイルタイプは肌への刺激を指摘される場合が多いが、今回の評価ではむしろ逆の結果となり、「総合評価」でも①と②の評価は高くなった。

2.性状・強度評価
(1) 液含みの量とメイクの落としやすさ

表3:シートの重さとシート1枚に含まれる液量と厚み

使用しているシートの重さは100cm²あたり最少0.42g~最大0.74gであった。最も重かった⑤はコットン100%タイプ、最も軽かった⑥は不織布のメッシュタイプで、重さには約1.8倍の差があった。
一方、同面積中に含まれる液の量は②が2.21gで最も多かったのに対し、最も少なかった⑥は0.42gで、約5倍となり重さ以上に大きい開きがあった(表3参照)。ただし、メイクの落ち具合の評価を見ると、含浸液が一番多い②はマスカラ、口紅ともに満足度が高かったものの、他のシートの結果にはバラツキがあり、液量だけがクレンジング効果に影響するとは言えない結果であることが分かった。

(2) 厚みと落としやすさ

シートの厚みについては②を除く5点のシートが0.25mm前後だったのに対し、②だけが1.5倍ほど厚い0.36mmと際立って厚いことが分かった(表1参照)。②は1枚に含まれる液量も6点中もっとも多く(表3参照)、クレンジング液を十分に含むことのできるこの厚みが、メイク落ちや肌触りの良さにつながっていると思われる。
使用感評価「口紅の落ち具合」で、同じオイルインタイプ①に比べ、②が高い評価となったのもこのシート構造による影響と考えられる。

(3) シートの強度

表4:引っ張りに対する応力

すべてのシートがタテよりもヨコ方向の最大荷重値が高くなり、繊維に沿わないヨコ方向が引っ張りに強いことが分かった。また、6点中5点が繊維方向にかかわらず湿潤状態より乾燥状態の最大荷重値が高くなり、乾燥したシートのほうが裂けにくい傾向にあった。

(4) シートの耐久性と肌当たりの強さ

写真:シートの耐久性と肌当たりの強さ

摩擦面に貼り付けた別珍の黒い布片にシートの繊維が付着すれば、摩擦によりシート繊維が抜けやすいと考えたが、ほとんど変化は見られなかった。一方、ハンマーに取り付けたシート片を見てみると、①⑤⑥に変化はなかったが、②③④は表面に毛羽立ちやよれが見られた。
②③④は他の3点よりも耐久性が低いといえるが、いずれも使用感評価の満足度がかなり高かったことを考えればシートの肌当たりは優しい商品と思われる。
一方、シート表面に変化が見られず比較的高い耐久性を示した3点のうち、⑥には布片の繊維の付着が目立った。⑥は唯一のメッシュタイプで、シート表面の凹凸により①⑤に比べて摩擦が大きくなったと思われ、今回の試験品の中で唯一、肌当たりがやや強く感じる商品と考えられる。

まとめ

使用感評価から、クレンジングシートではウォータープルーフマスカラは落としにくいことが分かった。オイルインタイプでも完全に落とすには繰り返し拭き取らなければならず、摩擦による肌への負担は避けられない。

使用満足度はオイルインタイプ①と②が高かった。使用感を左右する要因の一つとしてシートの構造が挙げられ、メイク落ちや肌触りに影響していると思われる。

使用感評価の「肌刺激」については、ほとんどのシートで満足度が高かった。シートの耐久性評価が低いものは概ねシート表面が柔らかく、肌当たりや肌触りがよく肌刺激が少ないと評価されたようだ。ただし、メッシュタイプはシート表面の凹凸が肌との摩擦を大きくするために肌への負担が大きくなることが考えられる。使用の際は肌を強く擦らないように注意が必要である。

(2014.11.21 美容・健康科学研究室)

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