フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

ミスト化粧水の性能評価

ワンタッチ式・部分白髪染めの性能評価

部分的に気になる白髪を手軽に隠したい時に便利な「ワンタッチ式の部分白髪染め」を評価しました。手軽な白髪かくしアイテムとして、いろいろなタイプがあります。

研究目的

しっかりとメイクをしていても、髪に白髪が目立つと老けて見えるのが気になるところだ。美容室や自宅で毛染めをする人も多くいるが、1ヶ月も経つと新しくのびてきた部分の白髪が目立ってくる。染めるにはまだ早いけれど白髪が気になる、全体を染めるほど白髪がない、生え際や分け目などの根元の白髪をかくしたい時などには、ワンタッチ式の白髪かくし(一時着色料)が便利だ。近頃はいろいろなタイプが発売されており、自然にカバーでき、自分で好きな時間、好きな場所で簡単に使えると人気である。
本研究では、異なる3タイプの部分白髪染め計8点について、使用感や毛染めに関する性能を評価した。

試験概要

タイプ別に、くし付きマーカータイプ(4点)、マスカラタイプ(3点)、泡タイプ(1点)の計8点を購入し、生え際や分け目に使用した際のつけやすさ、手や地肌へのつきにくさ、乾きの早さ、白髪の目立たなさなどについて実使用での使用感評価を行なった。また、毛束等を使ったモデル評価試験では仕上がり感、乾きの早さ、耐水性などを評価した。

試験品

くし付きマーカータイプ ①シエロ コーミングカバー(ホーユー)
②パオン クイックリタッチ(シェワルツコフ・ヘンケル)
③ベネフィーク クイック ヘアコンシーラー(資生堂)
④ワンタッチヘアカラー(香林製薬)
マスカラタイプ ⑤ブローネ ポイントカバー(花王)
⑥サロンドプロ カラーオンリタッチ 白髪かくしEX(ダリヤ)
⑦パオン 白髪かくしマスカラ(シェワルツコフ・ヘンケル)
泡タイプ ⑧ビゲン 生え際かくし(ホーユー)

試験項目

1.商品概要調査
アタッチメントの形状、使用方法、成分、価格など商品特徴の調査をする。

2.使用感評価
女性研究員4名が試験品を使用し、「かなり良い」から「かなり悪い」の7段階で評価する。

3.モデル評価試験
ウサギの毛、人の毛髪やヤギ毛の毛束を用いてモデル試験を行なった。
各項目の試験方法は以下の通りである。

(1)地肌へのつきにくさ
割り箸に白色のウサギの毛を挟み込み、根元から同一回数とかすように試験品を塗布したときの、地肌を想定した割り箸への液の付着状態を観察・撮影。

(2)乾きの早さ
毛束の根元から同一回数とかすように試験品を塗布し、3分後にろ紙に挟み荷重を一定時間負荷した際のろ紙への色移りを観察・撮影。

(3)白髪の目立たなさ
毛髪(白髪30%混)とヤギ毛の毛束の根元から同一回数とかすように試験品を塗布した状態を観察・撮影。

(4)ゴワつき感
ヤギ毛の毛束の根元から同一回数とかすように試験品を塗布し、乾燥後毛束の根元を水平台に固定し毛束の垂れ具合を観察・撮影。

(5)耐水性(汗や雨に対する強さ)
毛束の根元から同一回数とかすように試験品を塗布し、1時間放置後にスプレーで水を2回噴射し、ろ紙に挟み荷重を一定時間負荷した際のろ紙への色移りを観察・撮影。

(6)色の定着度 (色の定着効果をうたっている試験品②③④⑥の4点のみ)
ヤギ毛の毛束に同一条件で試験品の塗布と洗浄を5回繰り返した際の毛束への色の定着を観察・撮影。

試験結果

1.商品概要調査
ワンタッチ式部分白髪染め8点について、商品の特徴を一覧表(表1)にまとめた。

表1・ワンタッチ式白髪染め一覧表

2.使用感評価
女性研究員4名によるワンタッチ式部分白髪染め8点の使用感評価(7段階評価)の結果を(図1)に示す。

ワンタッチ式部分白髪染めの使用評価

①シエロ ②パオン ③ベネフィーク ④ワンタッチ
へアカラー
⑤ブローネ ⑥サロンドプロ ⑦パオン ⑧ビゲン
持ちやすさ 5.5 5.1 5.0 5.5 4.5 5.0 5.0 5.0
ブラシ部分
の大きさ
5.0 4.8 4.8 4.8 3.5 4.8 5.0 4.5
生え際への
つけやすさ
4.9 4.9 4.9 4.8 4.5 5.3 5.0 5.5
分け目への
つけやすさ
5.8 5.4 5.1 5.0 3.8 4.5 4.3 4.5
手への
つきにくさ
5.3 5.0 5.8 5.5 4.0 3.5 4.0 4.5
地肌への
つきにくさ
5.8 5.5 5.3 5.5 4.5 4.8 4.0 4.8
乾きの早さ 5.1 4.5 5.4 4.6 4.5 3.8 4.0 4.3
白髪の
目立たなさ
5.0 4.8 4.9 4.8 5.0 5.0 4.4 4.8
髪の
ゴワつきのなさ
5.0 4.5 5.0 4.5 3.3 2.8 2.0 4.1
髪のつや感 5.0 4.9 5.0 4.8 4.3 4.8 4.3 4.6
全体の
仕上がり感
5.3 5.3 5.1 5.3 4.8 4.4 3.8 4.6
肌刺激 6.8 6.8 6.8 6.8 6.8 6.8 6.8 7.0
経時による
色落ち
5.4 4.8 5.0 4.8 5.0 4.8 5.0 4.5
衣類や寝具
への色移り
5.8 4.8 5.0 4.8 5.3 4.8 5.0 4.5
色の定着 4.5 4.5 4.5 4.5 3.8 3.8 3.8 3.3
総合評価 5.3 4.6 5.3 4.9 3.4 4.0 3.8 4.8

タイプによって評価傾向が異なり、「総合評価」は、くし付きマーカータイプが最も高く、泡タイプ、マスカラタイプの順になった。

くし付きマーカータイプ(①②③④)は全般的に評価が高く、中でも「分け目のつけやすさ」「手へのつきにくさ」「地肌へのつきにくさ」「髪のゴワつきのなさ」の項目で高い評価だったことから、手や地肌を汚さずに分け目の白髪を目立たなくすることができ、ゴワつきの少ない仕上がりになると考えられる。

マスカラタイプ(⑤⑥⑦)は「生え際へのつけやすさ」の評価が高めではあるものの、その他の項目は全般的に評価は低くなった。特に「分け目へのつけやすさ」「手へのつきにくさ」「地肌へのつきにくさ」「乾きの早さ」「髪のゴワつきのなさ」の評価が低いことから、コンパクトなブラシが生え際の小さな箇所には当てやすいが、ブラシの先にまで液が絡んでいるので、手や地肌が汚れる可能性も高く、乾きも遅くゴワつき感が強い仕上がりになるため満足度が低くなったと考えられる。

泡タイプ(⑧)は、塗布時の評価はマーカータイプにつぐ評価となっているが、塗布後「経時による色落ち」「寝具や衣類への色移り」「色の定着」などの評価は低かった。広い範囲の白髪かくしに向いていて使いやすい反面、地肌につきやすいことや色落ちが気になることなどから、マーカータイプより全体的に評価が低くなったと思われる。

3.モデル評価試験
各項目の試験の結果を(表2)〜(表7)に示す。


(1)地肌へのつきにくさ
くし付きマーカータイプは4点とも、地肌を想定した割り箸に染め液がほとんどつかなかった。実際の頭髪で使用した場合も地肌への付着はないと考えられる。マスカラタイプと泡タイプは割り箸に液がついたことから、地肌に付着する可能性があると思われる。

表2・地肌へのつきにくさ一覧表

(2)乾きの早さ
くし付きマーカータイプの①シエロ、③ベネフィークとマスカラタイプの⑤ブローネはろ紙に色移りすることはなかった。マスカラタイプの⑥サロンドプロや⑦パオンはろ紙に色移りしており、塗布後はしばらく触れないよう注意が必要だと考えられる。

表3・乾きの早さ一覧表

(3)白髪の目立たなさ
くし付きマーカータイプの①シエロ、③ベネフィーク、④ワンタッチヘアカラーとマスカラタイプの⑤ブローネは白髪がほとんど目立なかった。マスカラタイプの⑥サロンドプロもあまり目立たないが、くし付きマーカータイプの②パオン、マスカラタイプの⑦パオン、泡タイプの⑧ビゲンは白髪をかくしきれず、やや白髪が目立った。液の色みと髪への付着状態については、④ワンタッチヘアカラーを除く7点がダークブラウンのカラー表示だが、色みと付着状態はそれぞれ異なった。色みや付着状態が薄いものは、白髪がかくしきれていなかったので塗布回数を多く重ねづけする必要があると考えられる。

表4・白髪の目立たなさ一覧表

(4)ゴワつき感
くし付きマーカータイプの4点全ては、無塗付の毛束とほぼ変わりない垂れ方で、ゴワつきのない柔らかい仕上がりになった。泡タイプはわずかに違いがみられたが、マスカラタイプの3点は明らかに毛束の垂れ方が変わり、ゴワつき感が大きかった。

表5・ゴワつき感一覧表

(5)耐水性
くし付きマーカータイプの①シエロとマスカラタイプの⑤ブローネと⑦パオンはろ紙に色移りすることがなかったことから、汗や雨で色移りすることはほとんどないと考えられる。それ以外は、色移りがあり、実使用したときの汗や雨で色移りする可能性があると思われる。

表6・耐水性一覧表

(6)色の定着度 (4点のみ)
②パオン、③ベネフィーク、④ワンタッチヘアカラー、⑥サロンドプロの4点全てに色の定着が見られたことから、使い続ける内に徐々に白髪が染まって目立たなくなることが期待できると考えられる。

表7・色の定着度一覧表

まとめ

使用感評価・モデル評価試験の結果から(表8)にまとめた。

表8・ワンタッチ式部分白髪染め 評価結果一覧

タイプ別の使用特徴を以下に示す。

  • くし付きマーカータイプは、くしを地肌に直接つけても、液を含浸しているマーカーがくし部分より少し短いため、地肌に染料がつきにくい設計になっている。使用経験の有無にかかわらず、地肌が汚れることなく、くしで髪をとかすように広範囲に使用できる。耐水性がやや弱いものもあるが、乾きが早くゴワつきのない仕上がりになる。

  • マスカラタイプは、ブラシで髪に色をのせるような要領で、細かい部分などピンポイントで塗布できる半面、地肌や手にも染料がつきやすいので、使用には慣れが必要と思われる。耐水性は優れているが、塗布後のゴワつき感が大きい仕上がりになる。

  • 泡タイプは、広範囲に一気に塗布できて便利な反面、くしの間に出す泡の量によっては地肌につきやすくなるので、使用には泡の量の調整が必要である。乾きは早めではあるが、ややゴワつきのある仕上がりになる。

なお、タイプに限らず、商品外装に色の定着効果を表示しているものについては、繰り返し使用すると洗髪しても染料が髪に残る(定着する)ことが確認できた。

(2013.08.12 美容・健康科学研究室)

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