フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

くすみ肌を調査して〜くすみは加齢に比例している〜
くすみ肌を調査して

〜20代のくすみは、
他の年代のくすみとは
違う〜

2009年6月、研究所では、くすみを感じている20〜40代の女性24名と、くすみ感のない女性4名の肌を計測し、くすみの原因について調査しました。

調査の概要

常に女性の肌悩みとしてあげられる「くすみ」は、あいまいで、しかも様々な要因が重なっています。研究所では、くすみを感じている女性(以下くすみ肌)と、くすみ感のないきれいな肌の女性(以下きれい肌)で、肌計測とアンケートを実施し、くすみの原因について調査しました。

くすみ肌の女性の、くすみの最大の原因は、シミ・ソバカスなどの色素沈着でした。これに加えて、30代後半からは、肌の乾燥、ハリの衰え、たるみ毛穴、目周りの小じわやたるみ、クマが相乗的に重なっていくことで、くすみが増していきました。一方、20代女性のくすみは、血行不良と肌の乾燥に起因することが多く、過剰なくすみ意識による悩みで、スキンケアや生活習慣等を変えることで、比較的早く改善できるのが特徴と分かりました。

調査方法

調査内容 一般女性モニターの年代別肌調査
肌計測実施日 2009年6月9日,10日,11日
肌計測条件 洗顔後22℃・50%RHの室内で20分間座位安静後計測
計測項目 肌水分量、キメ、シワ係数、肌色
目立つ毛穴、色素沈着(ロボスキンアナライザー)、肌拡大写真
マイクロスコープ写真(×60)、剥離角質細胞観察
アンケート(肌状態の自己診断)

調査対象

年代 くすむで悩む
くすみ肌
くすみのない
きれい肌
20代前半 5名 2名
20代後半 4名 1名
30代前半 5名
30代後半 6名 1名
40代前半 4名
健常女性 合計 24名 4名

調査結果

1)くすみ肌女性の属性
くすみを感じている女性モニター24名の選定は、「肌に透明感がない」「肌がくすんでいる」など、10項目の設問に、全て「自覚している」と回答した人を20代前半から40代前半の5つの区分で行いました。

20代のくすみ肌は、他人からはそれほどくすんでいるようには見えないのに対し、30代以降では、肌に明るさやツヤがなく、実年齢より老けて疲れたように見える状態、すなわち「くすみ肌」の人がほとんどでした。年齢によってくすみの意識と、実際のくすみの程度は異なることが分かりました。

「きれい肌」の女性モニターの選定については、本人の意識とは関係なく、調査担当の美容専門家が選定しました。「きれい肌」は、「シミやくすみがないだけでなく、肌色が明るく、ツヤや透明感があり、肌の状態が良い肌」と位置づけました。

2)肌計測結果
①肌水分量、キメ・シワ係数

図1・きれい肌とくすみ肌の年代別肌水分量

くすみ肌ときれい肌について、頬の水分量、頬のキメ係数、目尻のシワ係数を計測しました。
頬の水分量は、図1に示すように、くすみ肌ではきれい肌に比べて、各年代ともに非常に少なくなっています。
これは肌が乾燥状態であることを示します。一般に肌の水分量は加齢とともに減る傾向にあり、20代では、30代以降より水分量は多くなるのが通常一般的な傾向です。しかし、くすみを自覚している今回20代女性では、他の年代のくすみ肌に比較しても、最も平均水分量が低く、乾燥が進み、肌の透明感が損なわれていると考えられます。
そのため、見た目のくすみ感はさほどないにもかかわらず、同世代との差が大きく現れるために、くすみをより自覚してしまっていると考えられます(参考 写真3)。

図2・きれい肌とくすみ肌の年代別キメ係数、図3・きれい肌とくすみ肌の年代別シワ係数

図2、図3に、キメ・シワ係数を示します。数値が小さいほどキメが整って、シワは目立たないことを表します。
水分量が多いきれい肌は、キメ・シワ係数ともに小さく、頬のキメが整い、シワも目立ちません。一方、くすみ肌は、肌の乾燥に加え、40代前半を除いて、全般にキメ係数が高く、キメが乱れがちであることが分かりました。シワ係数は、20代後半に急に高くなります。20代後半から30代にかけてのくすみ肌は、肌の乾燥に加え、そこからくるキメの乱れやシワの目立ちがくすみの程度に影響していることが分かりました。
一方、40代のくすみ肌では、今回はキメ係数が低く、キメは整っていて、さらに、シワの目立ちについても20代後半、30代前半の人より目立たないことが分かりました。つまり、40代のくすみ肌では、肌の乾燥や、それが原因で起こるキメの乱れやシワの目立ちといったもの以外の主因があることを示しています。

②色素沈着と毛穴の目立ち
ロボスキンアナライザーで、色素沈着(シミ・ソバカス)、毛穴の目立ち、赤味等の肌計測を行いました。
くすみ肌では、色素沈着が多く、より毛穴が目立っていると考えられました。

図4・きれい肌とくすみ肌の年代別色素沈着面積

図4に示すように、計測の結果、色素沈着は、くすみ肌では、30代から顕著に面積が広くなります。
一方、きれい肌と20代のくすみ肌では、色素沈着は同程度で、色素沈着をほとんどしていない色ムラの少ない肌であることが分かりました。つまり、20代のくすみの主因は、色素沈着ではなく、肌の乾燥とそれに由来するキメの乱れ、あるいはそれ以外の因子(例えば血行不良など)が主因ではないかと考えられます。

図5・きれい肌とくすみ肌の年代別目立つ毛穴の数
写真1・年代別の目立つ毛穴の形状

図5に、きれい肌とくすみ肌の年代別の目立つ毛穴の個数を示します。目立つ毛穴も年齢ととともに増加していることが分かりました。しかし、きれい肌でも毛穴の目立つ人もいて、30代前半までは必ずしも毛穴の目立ちがくすみの主要因ではないことが考えられました。ところが、30代後半以降は、毛穴はさらに目立つようになります。
写真1は、各年代で目立つ毛穴数が多かったモニターの画像を示しています。この写真からも判るように、年代が進むに連れて、「目立つ毛穴」は「開口毛穴」へ、さらには、「たるみ毛穴」へと移行して、毛穴がより目立つようになることが分かりました。

③肌色と血行
図7・きれい肌とくすみ肌の年代別ヘモグロビン酸素飽和度

頬、眼下、額の計3ヶ所で、肌の明るさ(L値)と、メラニン、ヘモグロビン、ヘモグロビン酸素飽和度を計測しました。特にヘモグロビン酸素飽和度(HbSO2%)は、酸素の多い血液が巡ると高くなるため、血行の良さの指標となります。

図7に示すように、ヘモグロビン酸素飽和度(HbSO2%)が最も低かったのは、20代前半のくすみ肌でした。きれい肌と他の年代のくすみ肌では、個人のばらつきが大きく、ヘモグロビン酸素飽和度はまちまちでした。さらに、きれい肌と20代前半のくすみ肌を比較すると、ヘモグロビン酸素飽和度が50%以下の箇所が、きれい肌では0ヶ所であるのに対し、20代前半のくすみ肌では7ヶ所(10ヶ所中)と極端に多いことが判り、20代前半のくすみ肌は、明らかに血行不良の状態にある人が多いということが分かりました。

今回の調査では、くすみ肌は、年齢とともにくすみのレベルが大きくなり、くすみ感が増していきます。20代前半のくすみ肌は、大きく2つの主因があることが判り、1つは「肌の乾燥とそれに伴うキメの乱れ」、もうひとつは、「血行不良」であり、これら2つがくすみの原因でとなっていることが分かりました。これは、他の年代とは異なる20代前半特有のくすみ要因と考えられます。
他の年代でもそれぞれヘモグロビン酸素飽和度が低く、血行が悪い場合がありますが、色素沈着の他の要因がそれ以上に大きく影響していると考えられます。

④剥離角質細胞、マイクロスコープ画像観察
写真2・きれい肌(36歳)とくすみ肌(38歳)の剥離角質細胞画像(×40)の例
写真3・マイクロスコープ画像(×60)の例

写真2に示すように、きれい肌では、角層最表面の細胞が均一に整っているのに対し、くすみ肌は、細胞が部分的に重なって剥がれ、均一ではなく、明らかに角層の状態が悪いことが分かります。きれい肌では肌のターンオーバーが正常で、肌の透明感が保たれていると期待できますが、くすみ肌では肌のターンオーバーが乱れ、角質が肥厚し、肌の表面状態も悪いことが分かります。

このような状態は、マイクロスコープ画像でも確認することができます。写真3に示すように、きれい肌ではふっくらして整ったキメの状態を確認できるのに対し、くすみ肌では、肌が乾燥し、画像のあちこちに剥離して白く見える角質が見られます。

⑤肌状態の自己診断アンケートと肌写真
図8・きれい肌とくすみ肌の年代別肌状態アンケート

各年代のくすみ肌と、きれい肌のモニター自身に、肌状態の自己診断アンケート結果を図8に示します。
 きれい肌に対して、くすみ肌は全般的に肌状態が悪く、年齢と共にさらに悪くなる傾向がありました。
 特に、「かさつき」、「肌のなめらかさ」、「ツヤ」、「キメ」、「透明感」、「毛穴」、「クマ」で差が大きく、くすみを自覚して いることと関係している因子と考えられます。

20代前半のくすみ肌女性は、肌計測ではくすみの原因となる「色素沈着」等の肌計測値は低く、30代以降の女性に比べると、見た目のくすみ感はありませんでした。実際に、シワやたるみ等の形態的なくすみ要因も感じていませんでした。20代では、肌の計測から、乾燥と血行不良がくすみの原因でしたが、実際には、比較的軽いくすみ、つまり「思い込みくすみ肌」であると考えられます。

30代からは、小ジワやたるみ等、形態的な加齢変化が目の周りに影を作り、クマを作ります。光老化による色素沈着も相まって、加齢ととともにくすみが急に増していきます。そして、今回の40代前半女性のように、自覚症状としてシワやたるみが比較的軽微であっても、色素沈着が多いケースもでてきます。

まとめ 〜くすみの年代的傾向と対策〜

くすみ肌ときれい肌女性の肌調査の結果を、くすみの状態とその原因をまとめて図解しました。

全てのくすみに悩む女性に共通しているのは、「肌の乾燥」でした。しかし、20代で肌水分量が非常に少ないにもかかわらず、見た目のくすみが少ないことから判るように、くすみの最大の原因は、光老化によるシミ・ソバカス、ニキビ痕などの色素沈着です。これに、キメが乱れ、毛穴が目立ち、次第にたるみ毛穴をつくり、さらに、小ジワや肌のたるみからくる形態的な加齢変化が、クマや影を作り、くすみをひどくしていきます。特に30代以降のくすみ肌は、肌に明るさやツヤがなくなり、実年齢より老けて疲れたように見えます。対策としては、30代以降では、保湿や 紫外線対策などのアンチエイジング中心のスキンケアが非常に有効です。

一方、20代女性のくすみは、血行不良と肌の乾燥によるもので、状態はそれ程深刻ではなく、本来はくすみとはいえないものです。しかし、同世代女性との肌状態の差が大きいため、本人としては非常にくすみ意識が強くなる「思い込みくすみ肌」、あるいは、「くすみ自覚過剰」といえるでしょう。これらの20代のくすみ肌悩みの多くは、くすみ意識の原因を改善すること、つまり①保湿中心のスキンケアをすることと、②血行促進を積極的に促すことで、改善できるくすみです。

くすみ肌調査のまとめ

(2011.07.22 美容・健康・料理研究室)

▲PageTop