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今までの研究レポート

アーモンドの美容効果検証

アーモンドの美容効果検証

 カリフォルニア・アーモンド協会提供のアーモンドの美容効果について行ったモニターテストの結果をご紹介します。

試験の概要

 美容・健康科学研究室では、ご依頼いただいた食品やサプリメント(健康補助食品)の肌への影響を検証するために、一般モニターの協力を得て、摂取前後の肌計測を実施しています。
 今回は、カリフォルニア・アーモンド協会提供のアーモンドの美容効果について行ったモニターテストの結果をご紹介します。

はじめに

 アーモンドはバラ科サクラ亜科サクラ属の植物で、ウメ、モモの仲間であり、その果実の種の部分が食用にされます。紀元前から中央アジアから西アジアで食用とされ、その後地中海沿岸に広がりました。アメリカに伝わったのは18世紀といわれますが、現在はカリフォルニア地方で世界の8割以上を生産しています。
 アーモンドに含まれる栄養は5訂日本食品標準成分表によると100g当たり、たんぱく質18.6g、脂質54.2g、炭水化物19.7g、灰分2.9g、水分4.6gです。アーモンドの脂質は飽和脂肪酸が少なく、1価の不飽和脂肪酸が非常に多く、2価の不飽和脂肪酸にも富んでいるのが特徴です。また、アーモンドには100g当たり、食物繊維が10.4g含まれています。
 アーモンドにはビタミンEが非常に多く、100g当たり、31.2mg含まれます。ビタミンEの1日の栄養所要量は成人男子で10mg、成人女子で8mgであることから、25〜30gで1日分のビタミンEが摂取できます。ビタミンB群も多く含まれています。ビタミンB2は肌や粘膜を健康に保つ働きがあり、美肌のビタミンとも呼ばれています。
 また、ミネラルの含有量も多く、100g当たりマグネシウムを310mg含み、これは成人男子の栄養所要量に相当します。ほかにもカルシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどミネラルの含有量が多いのが特徴です。

試験内容

「試験内容」 アーモンドの美容効果検証
「試験方法」 一般健常女性をモニターとする盲検法による手法
「摂取期間」 8週間( 2007年1月中旬〜3月中旬 )
「摂取方法」 【テスト群】: アーモンド1日1袋摂取( 1袋28g入り )
【対照品】: アーモンド非摂取
「測定回数」 スタート時、2週間後、4週間後、8週間後
「モニター」 健常な30代(35±2歳)女性24名(一般モニター)
肌タイプは脂性肌または混合肌で、BMI値(体重kg÷身長m÷身長m)が18以上25未満でナッツ類を日常的に摂取していない人

1袋(28g)の成分表示
エネルギー 167Kcal
たん白質 5.2g
脂質 15.2g
炭水化物 5.5g
ナトリウム 1.0mg
ビタミンE 8.2mg

試験方法

  • モニターは2群の間に有意な偏りがないように、初回の肌測定の数値と美容専門家による肌タイプの分類から年齢および肌の状態を出来るだけ均一に12名ずつ2群に分ける。
  • 2群に分けたモニターのどちらをテスト群にするかはモニター担当が決める。モニター担当がテスト群にアーモンドを送付する。
  • 肌計測者にはモニターがテスト群か対照群か知らせない状態で計測を行う。
  • モニター管理はテスト終了まで肌計測に関わらないモニター担当が行う。

試験結果

「肌測定条件」 弊社指定のクレンジング剤、洗顔料でW洗顔後22℃・50%RHに調整した環境試験室内で20分間座位安静後測定を開始
「測定項目」 肌計測一般項目(水分量、皮脂量、水分蒸散量、肌弾力、肌色、キメ、肌拡大写真)、肌画像解析システム(ロボスキンアナライザー)、BSチェッカー(末梢血液循環機能)、体重・体脂肪
「アンケート」 肌状態アンケート・体調体質アンケート・肌日記
「アンケート
採取方法」
スタート時、2週間後、4週間後、8週間後、中止2週間後

統計解析値の解釈について

 一般に動物実験では5%以下の危険率までを有効としているが、人間をモニターとする実験では5%以下では効果の確認が困難である。厚生労働省は条件付特定保健用食品の承認にあたって、10%以下の危険率で有効な食品までを認めている。今回の実験に当たって、数値データに関しては10%以下の危険率で有意差があるものを有効と判断することにした。なお、アンケート調査に関しては5%以下までとした。

試験結果

 有意差検定の結果、有意差が認められた結果、および有意差はないが傾向がみられた結果は以下の通りであった。

  1. 水分量 (図1)

    アーモンド摂取群で2週間目の頬の水分量の変化量が10%以下の危険率で有意に上昇した。しかし、4週間目と8週間目にはスタート時と同程度に減少した。摂取しない群の目尻と頬の水分量が4週間目と8週間目に上昇したが、有意差は認められなかった。

    水分量 (図1)
  2. 皮脂量 (図2)

    アーモンド摂取群で2週目の頬の皮脂量の変化量が5%以下の危険率で有意に上昇した。しかし、4週目には0週のレベルに戻り、2群に有意差は認められなくなった。

    皮脂量 (図2)
  3. 画像評価 (図3)

    メディカルニッコールで撮影した肌の拡大写真を美容専門研究員6名が5段階評価した結果、2群間の比較では4週目に「ハリ・たるみ」で1%以下の危険率で有意にアーモンド摂取群が改善し、「小ジワ」で5%以下の危険率で有意にアーモンド摂取群が改善した。

    画像評価 (図3)
  4. 肌画像解析システム (図4)

    色素沈着の変化例には有意差は認められないが、色素沈着(シミ)の濃さに関わらずアーモンド摂取により色素沈着面積が減少する傾向があるといえる。

    肌画像解析システム (図4)
  5. 末梢血液循環機能 (図5)

    有意差は認められないが、アーモンド摂取群は末梢血液循環機能を徐々に改善する傾向があった。スコアとパターンのいずれもアーモンドの末梢血液循環機能向上効果を示唆した。

    末梢血液循環機能 (図5)
  6. 肌状態アンケート(自己申告) (図6)

    比較して改善した。アーモンド摂取群は0週に対する2週目の変化量が「しっとり」「肌のキメ」「くすみ(透明感)」「目の下のクマ」「シミ・ソバカス」「肌の総合評価」で5%以下の危険率で有意に改善した。0週に対する4週目の変化量では「肌のキメ」「毛穴」「くすみ(透明感)」「額・眉間のシワ」「化粧もち」「肌の総合評価」で5%以下の危険率で有意に改善した。0週に対する8週目の変化量では「はり」「肌のキメ」「毛穴」「くすみ(透明感)」「額・眉間のシワ」「肌の総合評価」で5%以下の危険率で有意に改善した。

    肌状態アンケート(自己申告) (図6)
  7. 体調体質アンケート(自己申告) (図7,図8)

    体調体質ともに多くの項目でアーモンド摂取群が有意に改善した。アーモンド摂取群のモニターの多くがアーモンドを食べていることにより、体調が改善したと考えている。2群間の比較で、8週目の変化量は「便秘」「風邪」「髪のつや」「総合的体調」についてアーモンド摂取群が1%以下の危険率で有意に改善した。「頭痛」「お腹のはり」「イライラ」について、5%以下の危険率でアーモンド摂取群が有意に改善した。  肌日誌に毎日便通回数を記入させたところ、アーモンド摂取群は2週間目まで便通回数が増加し、平均値は常にアーモンド摂取群が非摂取群より多かった。有意差は認められなかったが、アーモンドは便通を増加する傾向があると考えられる。

    体調体質アンケート(自己申告) (図7)体調体質アンケート(自己申告) (図8)

最後に

 最近の研究では、アーモンドに抗酸化作用が高いと注目されるフラボノイドの含有量が多いことが明らかになり、フラバノール、イソラムネチン、ケンペロール、ケルセチン、カテキンなどが含まれています1)。また、アーモンドで食事の栄養バランスが改善されること2) が報告されています。さらに、アーモンドが生活習慣病の予防に効果があることも示唆され3)、コレステロール低下作用、心疾患リスク軽減作用、糖尿病リスク軽減作用、高血圧症改善作用などが報告されています4)
 食品摂取によるヒト肌に及ぼす影響については、朝食欠食若年層の人を対象にしたシリアル食導入での体調ならびに肌に及ぼす影響についての文献5)。があり、シリアルが肌状態を改善し吹き出物や皮膚の赤味といった肌トラブルを改善するという報告もあります。しかし、アーモンド摂取とヒト皮膚への影響を報告した文献はなく、アーモンドのヒト皮膚への影響を総合的に研究する一環として、本研究ではアーモンドを8週間摂取した時の美容効果について報告しました。
 食品であるアーモンドによりビタミンB群とビタミンEを補給できることは美容と健康に有効であると考えられます。サプリメントに比べて過剰摂取の心配がないのも利点です。

 今回の研究の詳細ならびに1)から5)の引用文献については、FOOD STYLE 21 Vol.11 No.12 (2007)に掲載されています。

(2008.10.23 美容・健康科学研究室)

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