月例会開催レポート

東京工業大学の産学連携活動
―サービス提供者と国民の仲介役も―

 フジサンケイ広報フォーラム12月月例会は、東京工業大学理事・副学長(研究担当)産学連携推進本部長の伊澤達夫(いざわ・たつお)氏を講師に迎え、産学連携や大学の課題などをテーマに開催した。

―講演要旨は次の通り―
伊澤達夫 氏
東京工業大学 理事・副学長
(研究担当)、
産学連携推進本部長 伊澤 達夫 氏

 東京工業大学(以下、東工大)は、技術者を要請するための日本で最初の工業教育機関として創立され、128年の歴史を持っている。一般には、単科大学のイメージがあるようだが、バイオや文科系の社会理工学など幅広い分野をカバーしている理工系の総合大学だ。

 タイムズ・ハイア・エデュケーションの2009年調査による世界の大学ランキングでは、テクノロジー部門で19位に、総合で55位にそれぞれつけている。また、1万人いる学部・大学院学生のうち11%にあたる1100が海外からの留学生で、日本の旧国立系大学では比率が高い方だと思われる。

 以前はとんでもないといわれていた産学連携には、いち早く取り組んできた。産業界との一元的な窓口として「産学連携推進本部」を設けて、研究戦略などを策定している。現在、15の企業・機関と連携し研究に取り組む。連携する企業は製造業にとどまらず、銀行や商社などのサービス業にも及んでいる。今後も引き続き、フォーラムなどを主催し連携する企業を増やしていく予定だ。

 来年から開始する「電子私書箱」共同研究プロジェクトでは、官民で幅広いコンソーシアムを作ろうとしている。このサービスが実現すれば、例えば年金の通知などの郵送コストを大幅に削減することができる。さらに、国民の健康管理など幅広い分野への応用も可能だ。サービス提供者と国民との間を取り持つ仲介役が必要となるが、中立的な存在である大学が、その役割を担うことも考えられ、大いに期待している。

 一方、企業の経営から大学へ移ってきた者から見ると、大学では一般で考えられない管理手法がとられたり慣習があったりするのに気付く。管理会計や学内規則の問題など、今後直していくべき課題が山積しているのも事実だ。産業界との連携を強化していく中で、こうした問題も解決していきたいと考えている。

――以下参考用に12月の月例会の御案内の内容を掲載しています――
【12月・月例会のご案内】
東京工業大学の“売り”と産学連携の取り組み


 「フジサンケイ広報フォーラム」の12月・月例会は、 東京工業大学理事・副学長(研究担当)、産学連携推進本部長の伊澤達夫氏を講師にお招きし、「東京工業大学の“売り”と産学連携の取り組み」をテーマにお話しいただきます。
 東京工業大学は、わが国初の近代工業教育機関として1881(明治14)年に発足しました。これまで、ブラウン管による電送・受像を世界で初めて成功しテレビの父と呼ばれる高柳健次郎氏やノーベル賞受賞者の白川英樹氏をはじめ、世界の技術発展に大きな足跡を残した人材を輩出しています。このように、東工大では世の中に役立つ研究をコンセプトに、新たな産業を創出することを目指した産学連携の強化を図っています。伊澤副学長には、強化への取り組みなどについてお話いただく予定です。

 また、月例会終了後に恒例の忘年会を兼ねた懇親会を開催します。スケジュールご調整のうえ、商品研究開発部門など関係部署の方々にもお声をおかけいただき、ご参加いただけますようご案内申し上げます。



【日 時】

2009年12月16日(水) 15:00〜18:00(17:00〜18:00は懇親会)

【会 場】 日本記者クラブ・宴会場map
千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F
Tel.03-3503-2721
【テーマ・講師】 「東京工業大学の“売り”と産学連携の取り組み」
東京工業大学 理事・副学長(研究担当)、産学連携推進本部長  伊澤 達夫 氏
「月例会」とは

 会員制情報サービス組織「フジサンケイ広報フォーラム」が毎月開催する「勉強会」です。広報担当者にすぐに役立つ情報提供を目的にしたものです。 勉強会のテーマは、事件・事故、特殊ジャーナリズム、内部告発などへの対応といった危機管理やIRなど。時には企業見学会なども実施します。
月例会には、会員各社から何名でもご参加いただけます。また、テーマによっては関連部門(宣伝部や法務部など)の方のご参加も可能です。

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