新型インフルで事業継続計画を
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| 千葉商科大学・大学院教授 藤江 俊彦 氏 |
「企業は社会の公器である」という認識が定着してきたため、企業のリスクマネジメントも、社会におよぼす影響を前提に考える必要がある。この考え方の根底にあるのが、ソーシャル・リスクマネジメントだ。一企業にとどまらず、社会全体に影響をおよぼすリスクに対しては、国家機関と経済主体が連携し、経済・社会機能の維持を行わなければならないという考え方だ。今回の新型インフルエンザの問題は、まさにソーシャル・リスクマネジメントが求められる「感染症災害」と捉えるべきだ。
現在、日本での新型インフルエンザは、感染者が徐々に増加しているものの小康状態といえる。しかし、今年の秋以降は、今回のウィルスが変異、毒性が強力な第二波の襲来が予想される。国や企業はワクチン万能に偏らずこれまでの教訓を生かして、事前の備えをしておく必要がある。
まず、国の災害対策基本法において新型インフルエンザなどの感染症は、自然災害、人為災害と共に、特殊災害の一種とされている。今後政府は、「感染症災害」と捉えて、WHOのフェーズ段階と国内感染度に応じた行動計画を作成することが必要だ。
企業での対策では、厚労省のガイドラインを参考にして対策マニュアルを整備するケースが多いようだ。しかし、集団感染など、緊急事態を想定したBCP(事業継続計画)を作成している企業は少ない。自然災害への対策やBCPはあっても、感染症対策に取り組んでいる企業は、上場企業でも3割程度という数字もある。今回は、風評被害などを懸念し、マスク、消毒液、出張自粛、感染国からの帰国者の自宅待機などで対応したところが多かった。企業は第二波に対し、生き残りのためにも、公的ガイドラインを参考に独自のBCPを急ぎ作成し、トレーニングする必要がある。
社内外に対するリスクコミュニケーションや企業広報についても、予めルール化しておかなければならない。今回の第一波では、感染者のプライバシー等について報道、ブログでの感染者への中傷なども問題になった。リスク情報を共有し、事象や立場を理解して、マスメディアに情報発信することで、混乱を最小限にとどめることができる。社員が新型インフルエンザに感染した場合、個人情報に配慮した公表が望ましい。不安を増殖させず、冷静かつ迅速な情報提供がリスクコミュニケーションの要となるのである。
| ――以下参考用に6月の月例会の御案内の内容を掲載しています―――― 【6月・月例会のご案内】 新型インフルエンザと事業継続管理 フジサンケイ広報フォーラム6月・月例会は、千葉商科大学・大学院教授の藤江俊彦氏を講師にお招きし、「新型インフルエンザと事業継続管理」をテーマに、新型インフルエンザが、企業活動に及ぼす影響やダメージを最小限に抑えるための社内態勢の整備などについてお話いただきます。 企業にとっての緊急事態はさまざまなケースがありますが、またたく間に世界的に蔓延し猛威を振るう新型インフルエンザに対して、日本企業の危機感は弱いのではないか、この問題は日ごろから意識して取り組まなければならない重要テーマだ、と藤江先生は強調されています。 藤江先生は、企業での広報・宣伝などにたずさわった後、淑徳大学教授を経て、現在、千葉商科大学政策情報学部、同大学院政策情報学研究科教授として、多方面で活躍されております。先生の広報、危機管理関連の著作をお読みになった会員の皆様も多いかと存じます。 どうぞ、社内でお誘い合わせのうえ、ご参加いただけますようご案内申し上げます。 |
| 【日 時】 | 2009年6月8日(月) 15:30〜17:00 |
| 【会 場】 |
日本記者クラブ・宴会場 千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル9F Tel.03-3503-2721 |
| 【テーマ・講師】 |
「新型インフルエンザと事業継続管理」 千葉商科大学・大学院教授 藤江 俊彦 氏 |
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