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第240回 もてなしの心(2010年7月19日更新)
先週の土曜日、母の一周忌を行った。お寺は西武新宿線「沼袋」駅から徒歩で約10分。
住宅地の一角にあり、駅からお寺へ向かう途中、お花を一年中きれいに咲かせている家があったり、ピアノ教室を開いているお宅からピアノの音色が聞こえてきたり、いつも心をなごませてくれる。かつて、法事があると母と駅で待ち合わせ、ゆっくりと周りの景色を見ながらお寺まで歩いていったものだ。そんなことを思い出しながら、お寺に向かった。
法要は午前11時からだが、早く来たメンバーは10時過ぎに到着し、それぞれの家のお墓にお参りしたあと、休憩室で母と自分たちの昔話に花を咲かせていた。一周忌ともなると、その場に悲観さはない。思わず微笑んでしまうような、楽しい話ばかりだった。法要が始まる10分前には出席者20人全員が揃い、祭壇に向った。ご住職のお経と、ご法話を拝聴して、お塔婆を持ちお墓に向かった。ひと通りの儀式は1時間弱で終わった。
その後のお食事会は大体、沼袋から車で15分ぐらいの新宿方面を利用している。この会場を決めるのが、いつも私の担当となる。家族連れでにぎわう土曜日の昼食時に20人が一同に入れる部屋を借りての食事の予約は結構、手間がかかる。当初、2、3軒当たったが、案の定厳しい。「20名様というと、一般席をつい立で仕切るようになります」「お昼は2部制にしているため、12時半からはあいにくお受けしていません」と、何ともそっけない。
そんなとき、ふと思い出した。弊社のオフィスが新宿にあったとき、隣のビルがホテルだったことだ。グルメの間ではちょっと知られた中華料理のお店に早速連絡したところ、個室が空いていた。会合の趣旨を説明したところ、「本来なら丸テーブル2つに分かれていただくところですが、久しぶりに皆さんお話があるでしょう。楕円型の大きなテーブルを1つ用意しましょう」と言ってくれた。そのひと言で、ホテルの対応の良さが判断できた。
料理の内容など、ほかの打ち合わせもスムースに進んだ。そして当日、タクシーや乗用車5台に分かれ、ホテルに向かった。親類へのお土産用の和菓子も、1つひとつ紙袋に入れられセットされていた。弟が法要の挨拶をして、食事が始まった。すると、親類の1人が「実は長男がこちらのホテルに勤務していて、この『翡翠宮(ひすいきゅう)』を3年間担当していたんですよ」と話し出した。まったくの偶然だ。しかも、驚きはまだ続いた。
その長男が挨拶に現れたのだ。先の話を聞いた別の親類がスタッフに耳打ちしたところ、すぐに連絡が取れたらしい。いま宴会部門の責任者として活躍していた。心のこもった、きらりと光る対応は、いつまでも参加者や主催者の印象に残るものだ。姉、弟、私はそのあと精算や次回の会合の打ち合わせをしながら、当家の法事のあとのお食事会は今後、ハイアットリージェンシー東京の『翡翠宮』にしましょうと約束して別れた。
(広報フォーラム事務局 山本ヒロ子)
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