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第227回 鳩山首相の言動は反面教師(2010年4月12日更新)
数年前、沖縄に住む友人夫婦の案内で伊江島を訪れた。伊江島は沖縄本島の本部(もとぶ)港からフェリーで約30分の人口約5000人の島。1日目はキャンプ。2日目は通称「タッチュー」と呼ばれる山を登り、100万株ものユリが咲き乱れるリリーフィールド公園を散策し、沖縄戦で戦死した村民や軍人を合祀する塔などを巡った。1泊2日で島のほとんどの名所を見た。
その小さな伊江島の地名を、昨年暮れ、新聞記事で目にした。それは米軍普天間飛行場移設問題にからんで補助飛行場の移転先候補地に名前があがったという記事だった。伊江島にはすでに米軍の飛行場があり、あの自然あふれる小さな島が基地の候補になったことに驚いた。記事は、地元住民の反対によって、政府が断念したという経緯が書かれており、ホッとした思いがあった。
そのほかにも何度か訪れた沖縄で、私が毎回感じる非日常の光景がある。まず、街中で多くの米兵を見かけることと、頭上を爆音響かせて戦闘機が通過することだ。とくに戦闘機が低空で頭上をかすめるように飛んでいることに驚いた。戦闘機の編隊飛行を初めてみたとき、「(映画の)『トップガン』のワンシーンみたいでカッコいい!」と思わず漏らした。そのとたん友人から、「沖縄ではそんなことを絶対言ってはいけない」と厳しく注意された。
東京に住んでいる私は、連日報道されている普天間問題には、正直言って実感が伴わない。基地のない土地に住む多くの国民も、関心がないニュースなのではないかと思う。沖縄の人たちにとっては、沖縄戦以来の長年にわたる多くの苦悩があったはずだ。騒音問題のほか米兵による事件も頻発した。一方で、米軍基地がなくなった場合の沖縄経済は?日本の安全保障は?沖縄の人たちの心は?これをどう調整するのか、まったく難しい問題だ。
鳩山首相は、3月31日の党首討論で、「命がけでこの問題に体当たりで行動し、必ず成果を挙げる」と述べたが、実に軽い言葉に聞こえた。政権発足以来、この問題では、「県外、国外移設」の公約がいまだ迷走続きだ。首相のこれまでの決着時期をめぐる発言は、「今月まで」で始まり、次いで「年末まで」に変わり、そしていまは「5月末までの決着」である。政府案をまとめる時期にしても「3月末までに」だったはずが、なし崩しである。
トップの発言は重く、責任重大だ。しかも国民の生命・財産を守り、日本の国土とその安全を守る日本の最高責任者となればより発言に気をつけなくてはいけないはず。鳩山首相のような発言を企業のトップが会見でしていたらどうなるか。社会的信頼を失い、株価下落、いずれは辞任に追い込まれるだろう。鳩山内閣の支持率低下が株価下落にあたる。企業のトップにとっては、鳩山首相の言動が「よい反面教師」になっているかもしれない。
(広報フォーラム事務局 永井久恵)
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