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第219回 『キーワードは「オヤッ?」「へぇ〜!」』(2010年2月15日更新)
昨日、2月14日はバレンタインデー。私にも甘酸っぱい思い出がある。コイバナ(恋愛話)ではない。以前、総合商社で広報を担当していたころのことだ。グループ会社にチョコレートの製販会社があった。バレンタイン向けの新作チョコレートを新聞に取り上げてもらおうと、ある記者に売り込んだ。でも、「チョコレート会社がバレンタインに新作を出すなんて、当たり前じゃん!」と言われ、あえなくボツ。
ひと足早いプレゼントとして、その記者と2人で食べた。中身がカシスムースで、味が甘酸っぱかったことを覚えている(しかも大きさはみかんぐらいあった!)。今なら出店先のデパートなどと組むなり、新聞でなく違うメディアに持ちかけてプレゼント企画にするなり、選択肢は結構ある。当時は、絶対的な存在だった記者クラブ加盟新聞社が一番だととらえていた。いま考えると、私自身も青かった…と甘酸っぱい思い出だ。
そんな思いにひたっていたら、弊社の人気セミナーの一つ、「何がニュースになるか」で、ある企業の方が紹介してくれた言葉を思い出した。「オヤッ? へぇ〜!がキーワード」というものだ。聞いた話に感心させられたり、他人に伝えたくなったりするのがネタだという。自分自身が「オヤッ? へぇ〜!」と思うニュースを探すか、その切り口でニュースを紹介していくといいというアドバイスだ。そこに「当たり前じゃん!」はない。
「パッション(情熱)と遊び心が大事」。これはナレッジ・マネジメント(知的管理)で先駆的な企業の方の経験談。パッションがないと人には伝わらない。しかし、真面目一辺倒で余裕がなさすぎて、ぐいぐい追い込まれると、人は逃げたくなる。パッションを持ちつつ交渉を楽しむ。このぐらいのスタンスが、たとえ相手が物事の評価に厳しいとされる新聞記者であっても、心地よい気がする。
先日、知り合いの女性が脱サラをして岩手・花巻でパン屋を始めた。住民は若者より高齢者が多い。にもかかわらず、あえて岩手産小麦と自家製天然酵母にこだわって堅いパンを焼いている。かんでいてもアゴは疲れないし、きんぴらなど和食にも合うと好評とか。店構えは酒屋のようで、接客は着物に自らデザインした帽子だ。「オヤッ」も「へぇ〜」も「パッション」も、さらに突っ込みどころもある。「これなら」と、機会を見つけてネタとしてどこかのメディアに売ってみようと密かに企んでいる。
私の今年のテーマは「笑う門には福来る」。確かに、経済状況は厳しい。それでも、企業の「オヤッ? へぇ〜」と思わせる話題を、広報担当者はパッションを込めて提供していただきたいと思う。ぜひ読む人、見る人を笑顔にするような話題を提供してほしい。思わず「にこり」としたり、「なるほどなあ」と思ったりする話題なら、私も読者の一人としてあやからせてください。
(広報フォーラム事務局・飯岡裕子)
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