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第208回 『コーディネーター』(2009年11月30日更新)
先日、ある自治体が主催するセミナー「知事と女優が語る地方都市文化論」に出席した。参加者は県に関係ある首都圏在住の有識者など約200人。初めに知事が約1時間、財政問題や世界から見た県の位置づけなどについて講演した。知事の話を初めて聞いたが、歯切れがよく話にグイグイ引き込まれていく。あっという間の1時間だった。トップに立つ人はこうでないと、と思ったものだ。
引き続き、テーブルを挟んで知事と女優が椅子に腰掛けての対談が始まった。地方文化についてそれぞれがどんな話をするのだろうと興味津々だった。ところが話が一向に前に進まないし、広がりがない。女優が話をしようとすると「あっ、ちょっと待って。思い出したことがある」と言って知事がまた話をし始める。前段の講演のときとは大きな違いだ。それぞれの良さが出てこない。
何を言いたかったのだろうという印象が残ったまま、予定の40分が過ぎた。県出身の女優に「また今度、お話させていただく機会を作ってもらいます」と知事が結んだものの、お互いが自分の主張ばかりする対談などは今回限りにしていただきたいと思ったものだ。その後、懇親会があったが、盛り上がりに欠けた対談に会場の雰囲気もいまひとつで、早々に会場のホテルをあとにした。
大物同士の対談のときはやはり、間に入り質問や意見を調整するコーディネーターが必要だ。大物といえども、話をするときはコーディネーターに「いいでしょうか」と了解を得て切り出すと、聞くほうも耳にすんなり入ってくる。前振りのない「私が」「私は」という表現は、聴衆者を疲れさせるばかりだ。それに気付かないお二人にも少々がっかりしたが、これは主催者側が考えなければならない問題だ。
改めて、コーディネーターや司会、議長について、その役割について考えてみた。異なる部分は若干あるかもしれないが、調整役であることは共通している。社内外の会議を見ていると、自分の意見ばかり主張して、周りの出席者の意見に耳を傾けない人もいる。重要なことは「発言しづらいなぁ」と思っているような人たちにも声をかけてチャンスを作ってあげる、そんな姿勢だと思う。
議長の進め方により、出席者も「こんなことも事例として話してみよう」という気になり、それをもとに将来の構想案がまとまるきっかけになることだってある。さまざまな人から、その人なりの話をうまく引き出すのがコーディネーターであり、司会、議長である。その場、その場で、そういう役割の人をうまく使うことで、会場は活きてくるものと思う。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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