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第202回 『JR西日本パス』(2009年10月16日更新)
先月末、2005年4月のJR福知山線脱線事故をめぐって、調査にあたった国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)の委員が、最終報告書の内容を事前に、JR西日本の山崎正夫前社長に漏えいしていたことが分かった。もっとほかに何か隠していることがあるのではないか−そんな思いさえしてくる。ご遺族にとってはなんともやりきれない気持ちだと思う。
JR西日本など利用したくないと思ったところで、公共交通機関を利用しないわけにいかないから困ったものだ。そんな中、皮肉なことに「JR西日本パス」がヒットしているらしい。JR西日本とJR九州が発売したもので、2日もしくは3日間乗り放題の特別企画乗車券(トクトクきっぷ)だ。「2人以上が同一行程」が条件だという。
大阪の知人はこのチケットを利用して夏休みに、奥さんと2人で1泊2日の長崎旅行を楽しくできたという。チケットは1人1万2000円。長崎では1泊1人5000円のビジネスホテルを利用したため「新幹線と特急『かもめ』、ホテル代を合わせて2人で約3万5000円。「ええ、夏休みでしたわ」と満足そうだった。なぜ長崎かというと、そのチケットが使える最長距離だからだそうだ。
長崎では、バス1日乗り放題の大人1人500円券を購入し、グラバー園や浦上天主堂、平和公園など数ヶ所を訪ねた。考えることは皆同じというか、随所で関西弁を話す夫婦に出会ったらしい。感激したのは、長崎−博多駅間を結ぶ特急『かもめ』に乗車できたことで、「列車の左右は2人席ゆったりとしていて、革張りのシートは豪華列車に乗っている気分だった」と語っていた。
この企画が非常に好評で、JR西日本は利用期間を今年12月21日まで延長したそうだ。利用範囲もJR西日本、JR九州、JR四国全線と、兵庫県・上郡(かみごおり)駅と鳥取県・智頭(ちず)駅を結ぶ智頭急行線の自由席が乗り放題。JR西日本の宮島フェリーも利用できる。たとえば、新大阪から鹿児島へ1泊2日で行った場合は1人1万8000円になるが、それにしてもお得だ。利用客はますます増えるに違いない。
不祥事などで社名がマスコミにたびたび登場するようなとき、当然のことながら社内は元気がなくなる。取材依頼の連絡をしても「こういう時期ですからいまはおとなしくしています」といわれるのが常だ。しかし、JR西日本の今回の「JR西日本パス」には消費者が飛びついた。このヒットで、遺族のことを考え、反省し真面目に勤務している社員が、少しでも元気になればいいと思う
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(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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