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第200回 『国連世界食糧計画(WFP)』(2009年10月2日更新)
国連世界食糧計画(WFP)で広報の仕事をしている女性Hさんに久しぶりに会った。年齢は35歳。外資系広告代理店に7、8年勤めたが、「自分自身よく理解していない業種のクライアントのお世話はできない」と、いさぎよく退社してしまった。以前からNPOの仕事に携わりたいと思っていたらしい。高給と華やかな世界を捨てての新たな挑戦だったが、目はいきいきしていた。
WFPとは、World(世界)、Food(食糧)、Programme(計画)の頭文字をとったものだ。国連の食糧支援を専門にしている機関で、世界でもっとも大きな人道支援をしている組織である。同じ国連の機関でもユネスコ(国連教育科学文化機関)のような知名度がなく、「企業や団体に協力をお願いするさいも、WFPとは何かというところから説明しなくてはならない」とHさんは嘆く。
だが、それが彼女の唯一の仕事だ。「地球のハラペコを救え。」をキャッチフレーズに、「世界には約68億人の全人口が食べるのに十分な食糧がありますが、飢えは未だ死亡原因の第1位です。現在、およそ10億人の人々が飢えに苦しんでおり、そのうち3憶5000万人以上が子どもたちです。6秒に1人、5歳未満の子どもが飢えを原因に命を落としています」と、まず現状を訴えている。
こうした現状を理解し、支援活動に賛同してくれた人々、企業、団体からの援助金をもとに、WFPが食糧を購入し、毎日、約70機の航空機、約30隻の船舶、約5000台のトラックで世界中に食糧を届けている。しかし、支援することが彼らの働く意欲を失わせることにもなりかねない。そのため、働くこと、学校に通うことを条件に食糧を提供。結果的によく働き、よく学ぶ人々が増えているという。
Hさんは今年5月、食糧の配給を兼ねてアフリカのザンビアを視察した。「掘っ立て小屋の教室で20人ぐらいの子どもたちが勉強しているのですが、入ったとたん、家畜のような臭いがして、かわいそうで涙が出てきました」と現地の状況を説明する。川で水浴びでも…と考えがちだか、そこはドロ沼のようなもの。伝染病にかかる恐れがあるため、現地の人は絶対に入らないそうだ。
食事は、大豆やトウモロコシをベースにしたものだが、「とても手をつけられませんでした」と語っていた。そんな話を聞くと、都会でのうのうと暮らしている私などは、「申し訳ない」という心境になる。といっても、すぐに何ができるものでもない。Hさんの広報の仕事をバックアップすることで協力者が増え、WFPの仕事が順調に展開していくことを望むばかりだ。身近な人からの生々しい現地情報は、生活を見直す良いきっかけになった。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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