広報ショートコラム
 
第198回 『JAL735便』(2009年9月24日更新)

 先日、遅い夏休みとして3泊4日で香港に出かけた。フライトタイムは午後6時30分。朝や午前中の便のときは、成田空港に到着後、あわただしく手続きをするが、この日は余裕をもって出かけ、2時間半前には搭乗手続きを済ませた。免税店で目当ての化粧品をまとめ買いし、ブランドショップで新作バッグのデザインや値段をチェック。その後は搭乗口近くでゆっくり本を読むことにした。

 フライト1時間前。そろそろおなかが空いてくる。のども渇いた。しかし、あと1時間半もすれば機内で冷たいビールが飲める。私はそれを、旅立ちに乾杯という意味で毎回、楽しみにしている。我慢しよう。近くにコンビニで、ホテルへの到着が深夜になることから小腹が空いたときのためにと菓子パンを3個買った。プライベートな旅ほど、この時間帯のワクワク感は大きい。

 離陸して30、40分。いきなり食事が運ばれてきた。「はじめの飲み物は?」と思ったが、食事のときに頼めばいいだけのことだ。でも、なにか違う。食事も貧相で少なめだ。少食な私がそう感じたのだから、男性はなおさらだったのではないだろうか。数時間後に香港国際空港に到着。ホテルに着いたのは夜中の12時だった。成田のコンビニで、パンを買っておいて正解だった。

 JALはいま、厳しい状況に置かれている。現に、出発翌日の各紙朝刊には「日航、デルタと提携検討」という見出しが一面に踊っていた。記事を読むと、前日の機内食の内容に合点がいった。これまでは「エコノミークラスでもJALの機内食はおいしい」と定評があっただけに、今回そう感じたことが残念でならない。帰国便でも最初に運ばれてきたのは飲み物ではなく食事だった。

 帰国して数日後、追い討ちをかけるようなことがあった。夕方の会合に出席するため、モノレールで天王洲アイルから浜松町駅へ向かっていたときのことだ。「希望退職者だけど1800人近く集まったらしいよ」「こんど撤退する○○路線はガラガラだったからね」という会話が聞こえてきた。天王洲に本社があるJALの社員であることは明らかだ。会話は他の乗客にも聞こえていたはずだ。

  エレベーター内、電車内などの会話は、だれに聞かれているか分からない。社内事情などの話は絶対にしてはならないことを、多くの方が、もちろん私も、あらゆる機会を通じて書いてきた。JALの社員であれば分かっているはずだが、現実に守られていない。こうした社員1人ひとりの姿勢がいまのJALにしたのか、JALの社内の不安定さがこのような会話を社員に公の場でさせたのか分からないが、影ながら応援している人たちもいることを忘れないでほしい。
 

(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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