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第197回 『陶芸家』(2009年9月16日更新)
今月9日、大阪で広報勉強会「経済部長が語るPRのためのメディア活用法」を開催した。講師は産経新聞大阪本社の竹田徹経済部長。企業や大学の広報担当者20数人が参加し、メディアが求める情報、掲載のためのヒントなどについて学んだ。その後の懇親会でも、熱心な情報交換が続き、飲み物や軽食にほとんど手をつけなかった。一時も無駄にしたくない、そんな気持ちが表れていた。
大阪で開催するセミナーでは毎回、受付などを手伝ってくれる女性がいる。弊社元役員の大阪の生家の近所に住んでいるお嬢さんだ。自宅で陶芸教室を週に3回開いている陶芸家で、教室のない日は、中・高校生に美術を教えている。年齢は30代前半。よく気が利き、セミナーのお手伝いをお願いすると、受け取った名刺は頼まなくても50音順に整理しておいてくれる。
彼女をアルバイトと知らない参加者は、社員だと思って彼女に何でも質問してくる。「トイレはどこですか?」「自動販売機はこのフロアにありますか?」「資料をもう一式いただきたいのですが」などだ。彼女は、こういった質問を想定して、早めに会場に来て事前にトイレなどの場所をチェック、これまでの経験から事務局に確認が必要と思われることを聞いて、メモを取っている。
社員に見習ってほしいことを自然体でやってしまう。そんな彼女にも悩みがあった。広報勉強会の翌日、彼女からメールが送られてきた。「私は職場経験がないので、毎回、ハラハラしているんです。セミナーに参加してくださった方にきちんとご挨拶ができているかな、失礼な言葉遣いをしているのではないか、などと反省ばかりです。失礼があったらいつでもおっしゃってください」。
ハラハラ、ドキドキする人は、常に緊張しているから大きな失敗はない。逆に、緊張感がないと大きな落とし穴がある。イベントの準備にしても、毎月の作業だからと思いつくまま準備していると、必ず忘れ物が出てくる。参加者に配布する一番重要な資料が用意されてなかったりするものだ。しかし、チェックシートに沿って確認しつつ準備すれば、そういう失敗は避けられる。
人間関係もそうだ。緊張してつき合いなさい、ということではない。つき合いには、ほど良い距離が必要ということだ。人にはそれぞれの立場がある。緊張感がなくなると、距離感のバランスがくずれ、ひいてはコミュニケーションも取りづらくなってくる。社内外ともに、ハラハラ、ドキドキのおつき合いこそ、結果的に良好な人間関係づくりができるのだと思う。この気持ちを大切にしたい。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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