広報ショートコラム
 
第193回 『第80回都市対抗野球大会』(2009年8月21日更新)

 今日から東京ドームで第80回都市対抗野球大会が始まる。各地の社会人チームが繰り広げる熱戦、郷土色豊かな応援合戦にファンは多い。今回は80回という節目から、出場チームが4つ増え36になった。12日間にわたる戦いにはどんなドラマが待っているのだろうか。私が関心を持ったのは、今回出場するA社のマスコミ懇談会に参加したさい、役員数人が熱っぽく話していたからだ。

 「弊社では今年、4地域から4チーム出場しています。出すぎかなとも思いますが、一応、それぞれの地元での試合(予選)に勝ってきましたので」と、手放しで喜ぶ役員。「会社の代表として社員が活躍する姿を見ていると、愛社精神がふつふつと湧いてきます。社員の励みにもなります」とも。リーマンショック後の世界的な不況下、スポーツチームを解散した企業は多い。がA社は違った。

 現場は単純作業が多い。そのような中、昼食後などには自社のスポーツチームの話題で盛り上がる。身近にいる選手たちは、社内コミュニケーションの格好の題材なのだ。東京の全国大会に出場決定ともなれば、夏休みを利用して家族で上京する社員もいるらしい。家庭サービスにもつながり、それがまた社員同士の話題となる。所内報もこうした微笑ましいニュースを逃がさない。

 「スポーツは社員の士気高揚につながる。チームで仕事をする工場ではそれが如実で、職場が明るくなる」とB社の元広報部長が語っていたことがある。B社も実は20年前、イメージアップや社員の求心力を目的にスポーツクラブを結成しようとした。しかし、年間2、3億円かかるといわれる運営費や、職場での選手の待遇の問題などもあり、結果的に手を引いてしまった。

 企業にはそれぞれの事情があり、スポーツチームなどの継続について外部の者が簡単に判断できるものではない。しかし、苦しいときでも、苦しいからこそ継続していくことが大切なのではないかなと思う。大事なことは、無理をしないことだ。これまた判断が難しいが、たとえば全社員参加の、あるいは家族も加わっての「工場一周マラソン大会」の開催でもいいと思う。

 要は、共通の話題を社員に提供することが、社内の風通しを自然と良くすると思う。いま、社内の談話室や、夜になると開く社員向けのバーに人気が集まっているという。かつては敬遠されたものが、積極的に利用されるようになったのは、いま、社員が社員同士のコミュニケーションを求めているのではないだろうか。それが、外部の人とのコミュニケーションの楽しさにも結びついてくるような気がする。
 

(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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