広報ショートコラム
 
第190回 『テレビ局の大道具、小道具』(2009年8月10日更新)

 弊社では毎年7月、全5回にわたる「新任広報マン夏期講座」を開催している。第1回目は、「いかに広報活動が重要か」について新聞社の経済本部長、企業の広報部長、広報アドバイザーそれぞれの立場から話を聞いた。第2回目は「ニュースリリース」がテーマ。何がニュースになるか、リリースのまとめ方、見出しのつけ方、記事になるポイントなど、すぐに実践できる話が聞けた。

 第3回目のテーマは「読まれる社内報」。社外広報を強化するにはまず、社内広報を充実させることが重要であることを学んだ。第4回目は「危機管理」。起きてしまった事件・事故は隠せない。経緯を詳しく公表し、今後の対応をマスコミを通じてきちんと説明することが、結果として、その企業の理解に結びついていくという3人の講師の話を聞いて、新任さんも納得の様子だった。

 第5回目は「テレビ報道と企業広報」。報道局と生活情報局の責任者から、企業広報としてテレビをいかにうまく使うかについて多くのヒントをもらった。講義に先立ち、フジテレビの主要拠点、報道局や各スタジオ、大道具・小道具コーナーなどを見学した。意外と関心を集めたのは、大道具や小道具、時代劇のかつらや衣装は、テレビ局が専門の会社に委託しているという話だった。

 今年4月、たまたま上記専門会社の団体「東京テレビ美術事業者協議会」で、「危機管理と広報」をテーマに話をさせていただいた。代表幹事3人との事前の打ち合わせでは、全く知らない世界の話に驚くことばかり。たとえば時代劇の衣装やかつら。これまであまり考えずにテレビを観てきたが「社員一人ひとりが日本史を勉強し、その時代にふさわしいものを制作している」という。

 大道具は危険と隣り合わせだ。いくら安全で頑丈な床を作り上げ、再三チェックしても、番組内で想定外の使われ方をすると、タレントさんにケガをさせることにもなりかねない。慎重に慎重を重ね制作する。電飾会社も協議会に加盟している。電飾は瞬間が命だ。社員は万全の態勢で設営に望む。彼らの協力無くしてドラマやお芝居はできないことを知って、私自身有意義だった。

 当初、会場に集まった新任広報マンたちの顔は緊張気味だった。しかし、全5回の最後のプログラム「お疲れさま会」では、それぞれが講師や参加者たちに話しかけるまでになっていた。頼もしい、そんな印象を持った。来年のいま頃は、どんな広報マンに育っているのだろうか。「迷ったときはメールで相談させていただいていいですか」という化学メーカーの女性もいた。それに応えられるように私も頑張らなくては。何だか、逆に元気をもらった感じだ。
 

(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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