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第189回 『日本郵政グループ』(2009年8月5日更新)
かんぽ生命が7月31日、終身年金保険などの一部のプログラムミスで、配当金の計算が誤っていたと発表した。日本郵政公社が民営・分社化されて1年10カ月。この間、日本郵政グループの不祥事は始終、社会面をにぎわしてきた。4つの事業会社はそれぞれ新規事業に積極的に取り組んでいるものの、従業員数は連結で約24万人。意思統一が末端まで図れていない気がしてならない。
7月中旬、次のような体験をした。大阪出張から戻るとポストに「郵便物等お預かりのお知らせ」が届いていた。その週の土日のどちらかに郵便局に受け取りにいくつもりだったが、入退院を繰り返していた母の体調が思わしくなく、早朝、病院に駆けつけたり、深夜に帰宅したりで受け取りに行く時間がなかった。郵便局に連絡しておこうと思ったとき、母が亡くなった。
お寺さんや葬儀屋さんとの打ち合わせでめまぐるしく時間が過ぎていく。母が亡くなったのは20日だが、保管期限は21日まで。郵便局に電話して正直に事情を伝えた。「母が亡くなり、葬儀の打ち合わせなどであわただしいため、保管を3、4日延ばしていただけますでしょうか」。だが、「延長は2日までです。それ以上になると発信元に返送されます」と杓子定規な回答だ。
なんと事務的で、思いやりのない返事なのだろう。期待もしていないが、お悔やみの言葉もない。改めて「受け取りが遅れる方には、それぞれ事情があると思いますが、親が亡くなったという場合も延長は認められないのですか」と聞いてみた。「窓口の者は、延長は2日までとお伝えするように言われていますので」というのが答えだった。彼女に何を話しても無駄なことが分かった。
世の中にはルールがある。しかし、ルールに当てはまらないことが沢山あることも事実だ。日本郵政グループは、そういう場合、従業員にどう教育しているのだろうか。「利用する皆さまにお役に立つ郵便局を目指していきたい」と、各事業会社の広報責任者は何度も語っているが、実態は利用客が困っているのにマニュアル通りの対応しかできない従業員が日々の業務を担っているのだ。
郵便物の書類は結局、会社に届けてもらった。私が外出から帰ると、デスクに書類が載っていた。別の社員が受け取ったのだろうが、あれだけルールにこだわったのに本人の印鑑がなくてよかったのだろうか。このへんも理解に苦しむところだ。従業員数24万人の郵政グループだが、相当の覚悟で従業員の教育、コミュニケーションの円滑化に取り組まないと、「お客さまのお役に立たない郵便局」になりかねない。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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