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第179回 『法事とコミュニケーション』(2009年6月18日更新)
先週土曜日、父の13回忌があり、親類20人が中野区沼袋にあるお寺に集まった。午前11時からの法要に合わせ、10時すぎから叔父や、叔母、いとこたちが三々五々、集合。それぞれ顔を会わせるなり、「いやぁ、久しぶりだね。元気だった?」「いつまでも若いねぇ。いま、何をしているの?」と、まるで同窓会のような明るい雰囲気で、これから法要が始まるという気配はまるでない。
お酒好きでにぎやかな場が大好きだった父も喜んでいるだろうと思いつつ、本堂に入った。住職のお経は相変わらず声の通りがいい。その後、法話を拝聴し、お塔婆を持ってお墓参をりした。そのときも、世間話が絶えない。13回忌ともなればそんなものなのかもしれない。父に感謝しつつ手を合わせた。正午には法要が終わり、タクシー5台に分かれ、食事会会場の新宿に向かった。
道中のタクシーのなかで、叔父が「久しぶりに皆さんが集まって昔話に花を咲かせているのも、仏様がそういう機会を作ってくださっているのかもしれないね」とつぶやいた。それを聞いた伯母たちは「そうね。仏様を媒介に私たちもこうして親しくお話させていたただいているんですものね」と妙に納得した感じだった。そうこうしているうちに西新宿の料亭に到着した。
事前に予約してあった20人用の個室で、献杯のあと食事が始まった。「皆さんの近況が知りたいね」という声が上がり、そこからまた盛り上がる。まず、いとこから。「昨年12月なかばの忙しいとき、血圧が240まで上がって緊急入院したんですよ。2週間、病院に入ってました。いま、53歳。少し身体を休めなさいという信号だったんですね」と反省をこめて報告があった。
かつて高校で英語を教えていた伯母は87歳。歩くときは杖をついているが、しっかりした足取りだ。話し方も明快。2年前からフランス語を習いはじめたという。「生徒さんは10代から20代の、私の孫たちよりも若い人たちばかり。みんな『おばあちゃま』といって慕ってくれるの。刺激があって楽しいわ」という。住まいのある逗子から、横浜の教室まで週1回、電車で通っている。
64歳になるいとこは昨年、リタイアした。「地域デビューとともに町内会の会長にさせられて…。これまでとはまた違った忙しさで、あわただしい日々を送っています」と、それなりに張り切っているようだ。人生の縮図を見ているようなそれぞれの話を、みな神妙に聞いた。やはり、法事は仏様がセットしてくれた最高のコミュニケーションの場なのだ。「今年10月は主人の23回忌なの。皆さん、また楽しくおしゃべりしましょうね」と87歳の伯母が語り、法事は無事終了した。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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