広報ショートコラム
 
第167回 『あなただったら、どっちを選びますか』(2009年5月7日更新)

 先週、JR大崎駅から新宿のG社に向かう際、山手線に乗るか、15分後に大崎駅に到着する快速の湘南新宿ラインに乗るか、ちょっと迷った。重要な打ち合わせで遅れるわけにはいかない。その日は風の強い日だった。湘南新宿ラインはその影響で遅れが出ているかもしれないと考え山手線を選んだ。正解だった。新宿駅には約束の20分前に着き、余裕を持って打ち合わせに向かった。

 「これって1つの危機管理ですよね。あなただったら、どっちを選びますか、と新人に聞いてみるのもおもしろいかもしれませんね」と同行したMさん。日常生活で瞬時の判断をしなければならないことは多い。急がなければいけない勉強会の案内を、会場住所の最終チェックを怠ったばかりに、送ったあと、すぐにお詫びと訂正文を送り、結局、数日かかってしまったという話をよく聞く。

 1日遅れても内容をきちんと再確認してから発送しようという担当者の決断があれば、余分な作業と日数はかからなかったはずだ。このように危機管理は日常茶飯事に起きるといってもいい。大事なことは不測の事態が発生した際、いかにベストの状態に近づけるかという判断能力を養うことだと思う。そのポイントは相手の立場に立って考えてみること、それで道は開けるはずだ。

 広報担当の皆さまは何度も先輩から聞かされていると思うが、確認の意味で改めて記すと、新聞、テレビには原稿の締め切り時間がある。夕刊の締め切りは2回あり、最終は午後1時20分。朝刊の締め切りは4回あり、最終は午前1時25分。大阪ではそれより20分遅く午前1時45分だ。テレビのニュース報道時間は周知の通り。大事件が発生すれば特別番組(特番)が組まれる。

 締め切り時間を理解していないと、「新聞記者って、なんて横柄なのだろう」「こっちも仕事があるのに、何で記者の言いなりにならなくてはいけないんだ」と憤慨することになる。しかし、ものは考えよう。締め切り時間に合わせて積極的に情報提供して記者に「貸し」をつくるのがコツ。「あの時は助かりましたよ。ところで…」と、思わぬ広報チャンスが出てくるかもしれない。

 逆に締め切り時間を利用することだってできる。トップ人事や大きな提携など、朝刊掲載がPR効果は大きいと判断すれば、記者会見やニュースリリースの配布は、夕刊締め切り後の午後3、4時ごろにするとスムースだ。視点を変え、流れを変えることは、意外と日ごろの瞬時の判断から養われるものだ。その前提は、常に相手の立場で考え、行動すること。それに尽きるように思う。



(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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