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第165回 『バスに乗ろう』(2009年4月27日更新)
最近、再びバスに乗るようになった。再びというのは、りんかい線がまだ開通していなかった2002年以前は、天王洲アイルにあるわが社に通うのにJR目黒駅前から出る大井競馬場行きのバスを利用していたからだ。そのころは通勤手段としてバスに乗っているにすぎなかった。しかし、またバスを利用するようになったのは、バスの心地よさを感じるようになったからだ。
それは、バスの窓から季節の移り変わりを間近に見られることだ。いまは、ピンクや赤、白のつつじが、こんなところにもあったんだと思うほど見事に咲き誇っていて、沈んでいる気持ちもいっぺんに吹き飛ばしてくれる。若い女性のファッションやショーウインドーを眺めているだけでも楽しい。いま、こんなデザインのバッグが流行っているんだ、と気づかせてくることもある。
先日、新宿西口のS社へ取材に行き、その後、田町方面のN社で打ち合わせがあった。時間の余裕があったので、N社へバスで行くことにした。すると、サラリーマン2人があわててバスに乗り込んできて「バスっていいですよね。地下鉄の移動よりのんびりして落ち着くんです」「そうだねぇ」という話をはじめたのである。「私もそう思います」、思わず声をかけたくなった。
都内の交通手段はJR、私鉄、地下鉄、バス、ミニバス、都電、タクシー、さらにいえばりんかい線、ゆりかもめ、水上バスなどさまざまあり、地下鉄の路線も増えた。一番早く目的地に着く方法を、ネットで検索すればすぐに出てくる。便利になった。急ぎの場合はもちろん、その方法を選ぶが、最近、電車が無機質というか、ただのボックスにすぎないと思うようになってきた。
それは、携帯電話を片手に持ち、それを覗きこんでいる乗客が増えたことにも多少影響しているのかもしれない。若い女性から中年のサラリーマンまでみな、同じ姿勢で携帯にくぎ付けになっているのだから笑ってしまう。景気の落ち込みからか、路線によって車内刷り広告や額面広告の数が減り、内容も「これは!」というものが少なくなった。車内に刺激がなくなったともいえる。
バスの話に戻る。バスは、乗車のための階段の上り下りもなく、乗っていれば目的地に着くのだから心身ともにリラックスできる。小高い丘や坂道あり、意外と名所の前を通ったりすることもあり、得をした気分になる。先週金曜日午後2時ごろ、品川駅前で、授業を終えた小学2、3年生10人がドカドカと乗ってきた。その後、運転手さんに「ありがとうございました」と伝え、それぞれの駅で下車した。心がなごむ光景だった。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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