広報ショートコラム
 
第158回 『花田紀凱(はなだ・かずよし)さん』(2009年4月2日更新)

 1週間前、元「週刊文春」の名物編集長で現在、月刊「WiLL」(ワック・マガジンズ社発行)の編集長・花田紀凱(はなだ・かずよし)さんに久しぶりにお目にかかった。66歳になられるそうだが、お年には見えないし、相変わらず格好いい。それでも「映画館でチケットを買うとき、『シニア1枚(1,000円)』と言うと疑われることもなくさっと出てくるのがくやしい」と笑っていた。

 1時間半近い会話のなかで、花田さんからたびたび出たのは「人間1人で考えることなんて限られている。だから、いろいろな人に会ってヒントをもらう。自分が以前からあたためていたテーマも、他人が何気なく語った言葉で自信が持てることもある」という言葉だった。おっしゃる通りだ。1人で悩んでいても所詮、答えは変わるはずがない。多くの方からチエをいただいたほうがいい。

 弊社で主宰している広報担当者向けの勉強会「フジサンケイ広報フォーラム」の月例会で、以前、大手商社の広報部長に「わが社の危機管理」について講演を依頼した。数日後、その広報部長さんから「山本さん、お昼でも食べながら話をしませんか」と連絡があった。1時間ぐらい話をしたあと、「大体、構想がまとまりましたよ。安心しました」という。会話とはこういうことなのだ。

 花田さんの話に戻る。花田さんといえば「見出しの花田」「花田の見出し」といわれたほど、読者を引き付ける見出しをつける名人だった。「週刊文春は見出しで部数を伸ばしている」ともいわれた。毎号60、70万部を売り切っていたころだ。私も車内吊り広告で「週刊文春」の見出しに引き付けられ、「何が、書いてあるのだろう」と、早く読みたいという気持ちで本屋さんへ行ったものだ。

 その見出し、花田さんが考え出したものだと思っていたら「人と話しているとキャッチフレーズが浮かんでくる。本屋さんで背表紙を見ているだけでも、いま流行の言葉が大体分かる」という。花田さんは映画館にもよく通い、読書量も相当なものだ。「それが雑誌の企画や見出しのヒントにつながる。それを目的に映画を観たり、本を読んでいるわけではないけどね」とも。

 昨日は多くの会社で入社式が行なわれ、新入社員はトップから訓辞をいただいたと思う。その訓辞とともに、花田さんのように、いろいろなジャンルの方に会って多様な話を聞き、自分の肥やしにしていただきたい。1人の力量には限界がある。それをカバーするのが他人の力だ。その「他人力」を「自分力」にするためにも、多くの方とコミュニケーションをとってほしい。


(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
あなたの会社が、何らかのトラブルで記者会見を行わなければいけない...。突然の記者会見対応...。そのときになってから対策を講じていては、間に合いません。いざというときのために、事前に模擬記者会見を体験してはいかがでしょうか。
いままでのコラムを見る
フジサンケイ広報フォーラムとは?
BACK Copyright(C) FCG RESERCH INSTITUTE
詳しくはこちら 記者会見から迫真の会見体験まで 危機管理メディアトレーニング 広報コラム