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第153回 『女優、三林京子さん』(2009年3月16日更新)
NHKの朝の連続テレビ小説「だんだん」が来週で終了する。ご覧になってない方のために簡単に説明すると、タイトルの「だんだん」は島根県の出雲地方の言葉で「ありがとう」という意味。「産んでくれてありがとう」「育ててくれてありがとう」「あなたに出会えてありがとう」という感謝の気持ちを込めて付けたタイトルだという。主演は双子の三倉茉奈と三倉佳奈さんだ。
産まれてすぐに離れ離れとなり、島根県・松江と京都で育ったヒロインが、高校三年生のときに偶然、再会する。その後、1人は京都の大学に進学、1人は舞妓として芸に精進するが、縁あってデュオ歌手としてデビューする。スターダムへと一直線に駆け上るが、突然の解散宣言で普通の生活にもどり、看護師、芸妓としてそれぞれ自分の道を切り開いていくというストーリーだ。
三林京子(みつばやし・きょうこ)さんが演じるのは、2人の祖母・田島初江だ。松江城を囲む堀川を巡る観光遊覧船の船頭さんで、夫(岸辺一徳さん)はすでに他界しているという設定だ。昨年9月末に始まったころ、初枝役はだれが演じているのだろうと思った。配役を見ると三林京子さん。驚きだった。若いころの三林さんは活発なお嬢さま役や奥さま役が多かったからだ。
それほど三林さんは、田舎の人のいいおばあちゃんに化けていた。服装はもちろん、話し方もゆっくりで、何よりも息子や嫁、孫たちを見るまなざしがやさしい。華やかな世界の祇園を訪ねていくシーンでの堂々とした立ち居振る舞いのおばあちゃんぶりは、きらびやかさに引けを取らない。女優だから化けるのは当然のこととはいえ、あまりにもピッタリはまっていて見事というほかない。
実年齢は57歳。改めて、インターネットで三林さんの横顔を見ると、現在、大阪芸術大学短期大学部専任教授で、過去に文化審議会委員と大阪府教育委員などを務めている。実父は文楽の人形遣いで人間国宝の二世桐竹勘十郎氏。弟は同じく人形遣いの三世桐竹勘十郎氏だ。家柄、肩書きで判断するわけではないが、このプロフィルを見る限り、三林さんの演技は筋金入りなわけだ。
今回、祇園の世界の役どころでも、十分に輝いていたと思う。しかし、あえて、おばあちゃん役に抜擢したのは演出家のねらいなのか、三林さん自身の希望があったのかは分からないが、脇役でしっかり主役を支えている演技を見ているとプロという言葉を久々に使いたくなる。そして私も、プロといわれるような仕事を続けていくことができたらと思っている。
(広報フォーラム事務局・山本ヒロ子)
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